特集
2015/11/19(木)
ELLE CINEMA AWARDS 2015

映画ジャーナリストが選ぶ! 2015年のMYベスト映画【後編】

映画好きなエル読者の投票により、その年のベスト映画を決める「ELLEシネマ大賞2015」がいよいよ今年から開催! 読者投票に先駆けて、エルでおなじみの映画ジャーナリスト9名が、部門別に2015年のベスト映画&俳優を選出。映画を知り尽くしたプロたちが選んだベスト3を、前編、後編の2回に分けてお届けします。

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『きっと、星のせいじゃない。』DVD発売中  (C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX

ガールズ映画部門BEST3/細谷美香さん

『きっと、星のせいじゃない。』
末期ガンに侵された女の子が主人公で、いわゆる“難病もの”のカテゴリーに入る作品ですが、無理やり涙をしぼりとるような描写はありません。悪態をついたり皮肉を言ったりしながら、周りの人たちを傷つけないように生きているヘイゼルとガス。病を抱えながらもそんな風に命をきらめかせているふたりだからこそ、胸がしめつけられ、幸せを祈ってしまうのです。ハリウッドが期待を寄せるシャイリーン・ウッドリーのまぶしさも真空パック!  
 
『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
鬱病と拒食症の治療をしている少女が病院を抜け出して向かったのは、夜のライブハウス。音楽によってつながった男子ひとりと女子ふたりの関係を、浮遊感あふれる映像で描き出しています。へたうま(!?)でレトロなミュージカルや『はなればなれに』を思わせるダンス、「フレッドペリー」などを着こなすファッションは、何度も観たくなるほど最高にチャーミング! 登場人物みんなを抱きしめたくなる、思春期の終わりと別れ、旅立ちを見つめた青春映画。
 
『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』
廃墟のようなブダペストの街を自転車で駆け抜けていく、痩せっぽっちだけれど強い光を宿した目を持つ少女。彼女のたたずまいが、何ともハードボイルド! 思春期の揺れ動く気持ちと純粋さが、世界中のマイノリティや声なき弱者の暗喩ともいえる犬たちをなだめ、混じりっけのない愛が心と心を結んでいきます。トランペットが鳴り響くクライマックスは、まるで荘厳な神話のよう。少女が世界を救う! と叫びたくなる骨太な映画です。
 
●ベスト男優
トム・ハーディ(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』なくして語れない今年の映画界。銃を構えるフュリオサに肩を貸すシーンでズキュンと胸を撃ち抜かれ、最後に「俺の名前はマックス」と名乗るシーンでは思わず涙、涙……。
 
●ベスト女優 
クリステン・スチュワート(『アクトレス~女たちの舞台~』『アリスのままで』)
『アクトレス~女たちの舞台~』の大女優に信頼されている聡明なマネージャー、『アリスのままで』で見せた母の病に偏見を持たずに接する次女。脇で見せてくれた名演にKOされ、もう一生ついていきます! と宣言したくなりました。

  • 細谷美香/映画ライター。女性誌を中心に映画の紹介やインタビューなどを担当。着物や名画座も大好き。インタビューする機会が多い、日本の若手女優さんたちのきらめく才能や新鮮な言葉に触れることも大きな喜び。

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