映画ジャーナリストが選ぶ! 2015年のMYベスト映画【後編】
映画好きなエル読者の投票により、その年のベスト映画を決める「ELLEシネマ大賞2015」がいよいよ今年から開催! 読者投票に先駆けて、エルでおなじみの映画ジャーナリスト9名が、部門別に2015年のベスト映画&俳優を選出。映画を知り尽くしたプロたちが選んだベスト3を、前編、後編の2回に分けてお届けします。
王道ハリウッド映画部門BEST3/よしひろまさみちさん
『マイ・インターン』
オンナのお仕事映画かと思いきや、どうやって年を重ねるのがかっこいいかを示してくれる老害防止映画だったという驚き。そして、こんなかわいいデ・ニーロ観たことない! というほど、彼が演じたベンがかわいいやら愛おしいやら。ハンカチを持つ理由とか、執事的に三歩先行く仕事ぶりとか、粋なセリフやはからいの嵐。ご都合主義映画だ、という人もいるけど、人の善意にあふれたこの作品は、一生愛せそうなのよね。ベン、欲しい。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
リブート版の往年ヒットシリーズは数あれど、ここまでこだわりぬいて作られたモノはなかったんじゃない? しかも、マックスがフュリオサをサポートし続けて、結局「マッド・マックス、どこへ!?」といいたくなるほど闘魂女子映画に仕上げたところが素晴らしいわ。個人的には、イモータン・ジョーの軍隊が軍楽隊を随行させてたり、薄気味悪い小物が実は旧世界の遺物でできているとかいったディテール設定には唖然。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
まさかのワンカットに見せる観たことのないワザに圧倒されたわ~。しかもまったく緊張感が途切れないし、空想シーンまでが流れを邪魔しないという脚本力にも感服。物議を醸したラストの解釈もいろいろと思案を巡らせることができるし、映画が好きでよかった、と感じさせてくれた傑作ね。マイケル・キートンの怪演はもちろんだけど、「おひさ~」なエドワード・ノートンの狂気スレスレの演技にもしびれる~。
●ベスト男優
ポール・ウォーカー(『ワイルド・スピード SKY MISSION』)
『ワイルド・スピード SKY MISSION』撮影期間中の交通事故で命を落とした彼。正真正銘の遺作となったこともさることながら、彼に対するリスペクトを主軸にした物語と感動のラストで、改めて惜しい人を亡くした、と涙。
●ベスト女優
シャーリーズ・セロン(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
『マッドマックス~』で丸坊主、黒塗りメイクと、ティピカルな美貌をそぎ落としたシャー子さん。せっかく撮了して髪を伸ばし始めたのに、再撮影&再度丸坊主という苦難もシレッとこなした根性に拍手。
-
よしひろまさみち/映画ライター。今年おかわりした映画は『マッドマックス~』『マイ・インターン』だけじゃないの。4回もおかわりしてしまったのは『TAKE THAT LIVE FROM THE O2』!! 映画じゃないじゃん!