あなたのスマホの連絡先には、どれくらいプライベートな男友だちがいますか?
クラスメイトやサークル仲間など、男女が比較的自然に混じり合って遊ぶ学生時代と違って、大人になると「男友だちが多い」という女性と「プライベートで遊ぶのはほとんど女友だち」という女性が極端に分かれる傾向があります。学生時代にはそれなりの数の男友だちがいても、そもそも仕事が忙しくなるし、年齢を重ねるにつれ、お互いが結婚したり、同棲したりして疎遠になりがちという事情も。少なくとも、10代の頃に比べると、男女の友情がそう簡単には成立せず、またある程度神経を使って工夫しなくては維持するのも難しい、と感じる人も少なくはないのではないでしょうか。
また、自分が友だちだと認識していた相手から告白をされて気まずくなったり、2人で飲みに行ってつい身体の関係を持ったり、なんとなくお互い意識するようになったり、同性の友達に比べて異性との友情関係は揺らぎやすく、変質しやすい側面もあります。また、双方が友人だと認めていても、どちらかに恋愛パートナーがいる場合、そのパートナーにとってはその関係が疎ましい場合もあります。
作るのも維持も難しく、儚い側面もある男女の友情ですが、それでも女友だちとはまた違った世界を共有したり、ときには彼氏より頼もしい存在であったりするのも事実。デリケートで儚いけど尊い、そんな存在を得るために守りたい心得を考えてみたいと思います。
Text: Suzumi Suzuki Photo: Getty Images
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)、『愛と子宮に花束を』(幻冬舎)、『おじさんメモリアル』(扶桑社)など。最新の著書は今を生きる女性のお金の使い道や稼ぎ方について評した『オンナの値段』(講談社)。
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