- 【第一回】どれが獲っても論争勃発!? グラミー賞2017をブッタ斬り
- 【第三回】どれが獲っても論争勃発!? グラミー賞2017をブッタ斬り
- 【第四回】どれが獲っても論争勃発!? グラミー賞2017をブッタ斬り
- 【第五回】どれが獲っても論争勃発!? グラミー賞2017をブッタ斬り
年間最優秀レコード賞は3強女子の闘いに
この年間最優秀レコード賞というのはシングル曲を対象にしています。もはやシングルCDがアメリカでは、少なくなってきているので、そもそもこの賞の存在意義自体が危うい。大雑把に“2016年を代表する一曲”だと思ってください。建前としては曲だけではなく、プロダクションやミックス、パフォーマンスやビデオの内容なども含めた総合的な評価ということになっています。
昨年の受賞はブルーノ・マーズをボーカリストとしてフィーチャーしたマーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク」でした。これは内容からしても人気からしても誰もが納得の結果。レトロ風味のご機嫌なファンク・サウンドにEDM的なビルドを加えた、最高のパーティトラックです。その後のブルーノ・マーズのさらなる躍進は歴史が語る通り。
この最優秀レコード賞の今年のノミニ―は5組。間違いなくリアーナ、ビヨンセ、アデル3強女性の闘いです。という事実にもちょっとワクワクしますよね。今年のグラミーで注目すべきは、この最優秀レコード賞を誰が受賞するか。すべての争点はここにある。これは覚えておいてください。ちなみに、世界中の批評家筋から評価が高かったのは断トツにリアーナの「ワーク」。続いて、ビヨンセの「フォーメーション」です。
Text: soichiro tanaka Photo: Getty, Aflo
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田中宗一郎/音楽サイト「ザ・サイン・マガジン」のクリエイティブディレクター、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『ロッキング・オン』副編集長を務めたのち、1997年に自ら音楽雑誌『スヌーザー』を創刊。その後、2013年秋にWEBメディア「ザ・サイン・マガジン」を開設。『スヌーザー』がオーガナイズするクラブイベント、クラブ・スヌーザーは全国各地にて現在も開催中。@soichiro_tanaka