歌舞伎は楽しくなくちゃいけない! 市川海老蔵が語る、素顔の“EBIZO”12の質問
自分にキャッチコピーをつけるとしたら、「10代、20代の自分はベルセルク、30代は脱皮」と話す十一代目市川海老蔵。少し遠かった歌舞伎を、身近なものに……。歌舞伎の可能性をとことんまで広げようとするスターが素顔で語ってくれた、歌舞伎について、番外編のプライベートQ&Aと12の質問にアンサー!
大衆演劇の生存条件は、楽しくなくちゃいけない
Q3 「自分らしさ」とよく言いますが、海老蔵さんが考える「自分らしさ」とは?
若いうちは自分らしさを「出そう」とするんだよね。でも、それは結局、自分らしさではなくて自分を“見失っている”ということで、どちらかというと、行儀の悪いことをしている。自分らしさって、やっぱりある程度年齢を重ねないと出ないものだと思うんですよ。だから、若いうちはつい頑張っちゃうんだと思うんですよね、そういうものを出そうとして。急がば回れじゃないけども、ゆっくりやっていて滲み出るものなんじゃないかな。
Q4 歌舞伎座での松竹大歌舞伎とご自身で企画される公演で、何か違いはありますか?
意識的にはあまり変わらないですね。松竹大歌舞伎にしても、自主公演の「古典への誘い」にしても、「ABIKAI」にしても。ただ、歌舞伎座での公演は「重たい」ですよね。25日間50回、ひとつ責任をもって古典を遂行していくわけですから、「重い」。とはいえ、自主公演は代役がきかないぶん、そういった責任は重い。そのくらいの違いで、そう大差はない。内容的には、自分たちで企画する公演では、もうちょっと基本にかえって、歌舞伎=大衆演劇ということを実践していこうと思っています。
大衆演劇の生存条件は、楽しくなくちゃいけないんです。でも歌舞伎は古典芸能ですから、深みがあって面白みもあるけれど、“楽しい”という古典の数はそう多くない。僕がやっている「古典への誘い」や「ABIKAI」というのは、古典をやりつつも“楽しい”というものが、やっている人間たちも感じ、観ている人間たちに感じてもらう。強いて言えばそこの優先度が違うかな。
Photo : Yusuke Miyake Movie : HIROBA Styling : Atsushi Ohkubo Makeup : Isao TSUGE(KOOGEN)
スリーピーススーツ¥420,000 シャツ¥49,000 ネクタイ¥25,000 (すべてイザイア/イザイア ナポリ 問い合わせ先/東京ミッドタウンtel.03-6447-0624)
参照文献:『海老蔵そして團十郎』(関容子著 文藝春秋刊) 『市川海老蔵 眼に見えない大切なもの』(講談社刊) 『そして、海老蔵』(村松友視著 世界文化社刊)
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市川海老蔵 Ebizo Ichikawa
歌舞伎役者(屋号 成田屋)、俳優。故十二代目市川團十郎の長男として、1977年12月6日東京に生まれる。5歳で初お目見得を果たし、7歳で『外郎売』(歌舞伎座)貴甘坊役で七代目市川新之助、2004年に十一代目市川海老蔵を襲名。歌舞伎公演を中心に舞台や映画、ドラマなど多方面で活躍し、2011年公開の主演映画『一命』ではカンヌ国際映画祭にもノミネート。2007年のパリ・オペラ座での親子共演による歌舞伎公演をはじめ、自主公演「JAPAN THEATER」の海外公演にも熱心に取り組み、シンガポール、UAEに次いで、2016年3月にはNYカーネギー・ホールでの「GRAND JAPAN THEATER」公演も大きな話題を呼ぶ。2017年2月4日(土)~20日(月)には、市川海老蔵×リリー・フランキー×三池崇史、寺島しのぶの共演による“座頭市”をテーマに描く六本木歌舞伎「座頭市(仮)」に出演予定。
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