伝説の海外ドラマ「ツイン・ピークス」が帰ってきた!
2017/07/21(金)
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カイル・マクラクラン(Kyle MacLachlan)/1959年2月22日、アメリカ・ワシントン州ヤキマ生まれ。、デヴィッド・リンチの『砂の惑星』(84)でデビュー。『ブルー・ベルベット』や「ツイン・ピークス」の主演を務めた他、2000年以降はドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」や「デスパレートな妻たち」にも出演。

来日インタビュー

カイル・マクラクランが語る「今だから話せる『ツイン・ピークス』の秘密」

Q:前作から25年経過しました。新しい「ツイン・ピークス」と現在のショービジネスに期待することは何ですか?

カイル:25年前と現在とでは状況が変わりました。私が嬉しいのは、25年前にはなかったような様々な異なるジャンルの番組が生まれ、また「ツイン・ピークス」に挑戦状を突きつけるような番組も生まれたことです。だから新しい「ツイン・ピークス」の観客は、もう既にいると思うし、もっと想像を超えるような世界へ連れて行ってくれるようなシリーズになればと願っています。

Q:デヴィッド・リンチ、マーク・フロスト、そして今回放送を引き受けたテレビ局のSHOWTIME。いったい誰が最初に新作「ツイン・ピークス」の製作を提案したのですか?また、カイルさんはいつ頃からこのプロジェクトに関わるようになったのでしょうか?

カイル:まずマーク・フロストからデヴィッドに電話があって、このアイディアを話した。これが多分3〜4年前なので、2013年頃のはず。そこからふたりで話し合いを始めて、そのあとデヴィッドが私のところに「興味があるか?」と連絡してきた。同時に権利関係のことを探ってゆく中で、SHOWTIMEとの打合わせが始まったと理解しています。

新シリーズでは驚きのキャラクターに。 “TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.

Q:前作でローラが「25年後、またお目にかかります」と語っていたように、ドラマの中でのことが現実になりました。マーク・フロストは前作のラストについて「意図したことで、あれはリンチが(番組打ち切りに対して)怒ったせいではない」とインタビューで答えていますが、カイルさんの印象ではどうですか?

カイル:最終話では多分、<未来>という意味において“25年”ということにしたのだと思います。私としては本当の時間においての“25年”ではなくて、ツイン・ピークスという町における独特な時空の流れの中での“25年”だと思っています。なので「はじめから構想ができていた」ということではないと思いますよ。

Q:前作から25年経過したにも関わらず、ツイン・ピークスの町に変化がないのは驚きです。町並が変わらないのは、時空がねじれているからなのか?それともアメリカの地方都市の現状を象徴しているからなのか?カイルさんはどう思われますか?

カイル:もちろん人々は歳を取っていて、人によっては子供を生んでいたりもしますよね。同時にダイナーやロードハウスもあって、この町の基本的なものは何も変わっていません。毎回ドラマの最後では、ダイナーやロードハウスを見せています。それは、そういう場所が“とても安心感がある”ということなのだと私は考えています。エピソードの中の出来事があまりにも不安を煽るものばかりなので、せめて最後はそこに戻って“安心させる”という意図もあると思います。

Q:デヴィッド・リンチ監督の映像は簡単に理解できない、と感じる観客が多いようです。カイルさんはそのことについて、監督に質問することはあるのでしょうか?

カイル:最初デヴィッドと仕事を始めた頃は、たくさん質問をしていました。主に自分のキャラクターについて、それからストーリーについて聞いていたのですが、いつも曖昧な答えを返してきて、私が聞く度に少しイラついている感じでした(笑)。歳を取るとともに私はあまり質問をしなくなって、今は全く質問をしなくなりました。なぜなら、今は自分で解釈することが楽しいからです。

Q:これから新たに「ツイン・ピークス」を観る人たちが、予習すべきことはありますか?

カイル:何も観ていないよりも、準備をしていればより楽しめると思いますよ。可能であれば、前作の「序章」、「3話」と「最終話」、そして「映画版(『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最後の七日間』)」を観ると完璧です。

Text: Takeo Matsuzaki Photo: Getty Images、Aflo

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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