ポスト小松菜奈は誰? 日本映画の新世代女優たち
2017/03/16(木)
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大人びた憂いが魅力の正統派美少女

久保田紗友(17) in 『ハローグッバイ』

北海道出身。2013年のドラマ「神様のイタズラ」に主演。2015年には、村上虹郎と共演した携帯電話のCMシリーズが話題となった久保田紗友。NHKの朝ドラ「べっぴんさん」では、彼氏と同棲しながらジャズ喫茶で働くさつき役を演じ、十代とは思えないクールで大人びた雰囲気を醸し出している。
 
『ハローグッバイ』は今年公開予定の最新作。本作でも女子高校生を演じているが、冷静さと寡黙さが同居したキャラクターは彼女の得意とするところ。子供の頃から「大人っぽい」と言われてきたという彼女は、瞳にどこか憂いを秘めている。その佇まいは、『情事』(60)や『太陽はひとりぼっち』(62)で人気を博したイタリアの女優モニカ・ヴィッティを想起させる。

『ハローグッバイ』
それぞれに問題を抱えた女子高生の葵とはづき。クラスの中では交わることのなかったふたりは、悦子おばあさんと出会ったことで交流し、時にぶつかりあいながら人生を一歩前に進めてゆく……。『ディアーディアー』(15)の菊地健雄監督の第二作。久保田紗友は萩原みのりとのW主演で、高校時代ならではの揺らぎを繊細に演じている。本作で<友だち>という言葉の意味を改めて考えさせられるのは、我々が日常で<友だち>という言葉を簡単に使っていることに対する疑問を投げかけている。2017年、公開予定。

Text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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