ポスト小松菜奈は誰? 日本映画の新世代女優たち
2017/03/16(木)
> <

5/6

実力派俳優を両親を持つ、ダンサー出身の大型女優

石橋静河(22) in 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(5月13日~)

4歳からクラシックバレエをはじめ、2009年からはアメリカ・カナダへのダンス留学をしていた石橋静河。帰国後の2015年には、野田秀樹演出の舞台『逆鱗』に出演し、昨年は『少女』(16)で山本美月、本田翼と共演して脚光を浴びた。そして今年は、石井裕也監督が最果タヒの詩集を基に映画化した『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で初主演している。

東京の片隅に生きる男女を描いた本作。池松壮亮、松田龍平を相手に、石橋静河の一歩も引かない堂々とした演技が素晴らしい。その存在感は、父・石橋凌、母・原田美枝子のDNAを否応なしに感じさせる。だが、彼女の凄さはそれだけではない。東京という街で主人公がどんな生活を送ってきたのか?ということは本作で詳細に描かれない。しかし彼女の佇まいからは、映画に描かれていない部分の人生が見えてくるのだ。

(C)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
看護師の美香は、夜はガールズバーで働いている。来店した建築現場で働く慎二と出会った彼女は、ある日、現場で怪我を負った慎二と病院で再会する…。詩集の映画化で、ときに石橋静河が演じる美香による詩のようなナレーションが、都会の孤独を表現。“いまの東京”を記録した映像といった趣もあり、数十年後観た時にはどんな感情が引き出されるのだろうか?とも感じさせる。偶然の出会いを描いた本作は、ある偶然も映画の中で重ねてゆく。その末に提示する奇跡のようなラストに痺れる。5月13日より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日より全国公開。

Text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へセレブコラム一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト