ポスト小松菜奈は誰? 日本映画の新世代女優たち
2017/03/16(木)
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“眼差し”の強さで魅せる「才色兼美」なイットガール

小川紗良(20) in 『イノセント15』(3月18日~)

心をえぐるような痛みと青春の切なさ。『イノセント15』を初めて観た時、ヒロインを演じる小川紗良の<眼差し>の強さに圧倒された。作家・川上未映子も魅力されたという本作は15歳の少年少女の苦悩と成長を描きながら、この年齢特有の“期間限定の輝き”が記録されている。大人の視点で見れば「もっと上手くやれるはずなのに」という切なさが漂うのだが、主人公たちの若さゆえの行動が観客の胸を鷲掴みにする。それは小川紗良のもの言わぬ雄弁な<眼差し>によるのでもあるのだ。

1996年生まれの20歳。現在、早稲田大学に在学中で、高校時代に出演した『イノセント15』の演技で注目された。女優業のほかに監督も手掛け、『あさつゆ』(16)や『BEATOPIA』(17)では監督・脚本・主演を兼任。2年連続でゆうばり国際ファンタスティック映画祭で入選している。知性と才能、そして正統派美少女のルックスをを備えた注目株。「ぼくのりりっくのぼうよみ」のPVに出演するなど、サブカル界での期待も高まる。

『イノセント15』。彼女が恋するクールな銀を演じるのは、荻原利久(『帝一の國』)。

『イノセント15』
父親がゲイであると知った15歳の銀(荻原利久)は、自分自身もそうかも知れないと思い悩んでいた。彼は母親から虐待を受けている同級生の成実(小川)から恋心を告白されても戸惑うばかり。そんなふたりは、ある事件をきっかけに東京へ逃避行するが…。自身も児童福祉施設で働いていた経験のある甲斐博和監督の厳しくも優しい視点は、小川紗良演じる成実の強さに反映されている。3月18日から、アップリンク渋谷にて公開。http://www.uplink.co.jp/movie/2017/47587

Text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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