ポスト小松菜奈は誰? 日本映画の新世代女優たち
2017/03/16(木)
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現在は早稲田大学の学生。3月24日からは、『monster&moonstar』で舞台に初挑戦。 http://superendroller.com/?page_id=1881

Special interview

“凛とした女性に憧れます”  女優、映画監督として活動中!小川紗良の素顔

――『イノセント15』出演時は17歳。初めての映画出演だったのですよね。
 
小川:初めての映画オーディションだったので、何も判らない状態でした。とにかく台本を覚えて挑んだのですが、甲斐監督はじっくり話を聞きながら引き出して下さる方で、それがいいなと感じて「この映画に出たい!」と思いました。
 
――実は小川さんが「オーディションの順番は一番手だったが、眼差しの強さに惹かれて選んだ」と甲斐和博監督は言っています。映画の冒頭でも、小川さんが見せる強い<眼差し>は圧倒的です。
 
小川:あの場面は最初に撮影したカットだったので、緊張して必死でした。映画について何も判っていなかったので、すごく瞬きをしてしまって。いま見ると恥ずかしいのですが、“初々しさ”と言う意味では、あの時しかできない表情だなとも思います。

――昨年夏は、『週刊朝日』の表紙を写真家・川島小鳥の撮影で飾りました。その写真でも<眼差し>は印象的ですね。
 
小川:川島さんには、銀杏BOYZさんのアルバムのジャケット(※)も撮って頂いたのですが、その時も「じゃあ今度は、“死ね”って感じの眼でやって」と言われて(笑)すごく不思議で面白かったです。
 
――映画監督としても活動していますが、演技と映像制作、興味を持ったのはどちらが先?
 
小川:ほぼ同時くらいです。高校生の時に女優を始めて、映像制作も学校行事のドキュメンタリーなどを作ることから始めました。だから「今もその延長線上にいる」という感じです。
 
――監督と主演を両立する理由は。
 
小川:脚本を書いている段階では、ほかの女優さんを呼んで、自分は演出に専念しようと思っていました。でも、脚本を何度も直しているうちに、自分で「こうしたい」「こうしよう」と思ってくる。そのうちに自分でやりたくなってしまうんです(笑)。
 
――2本の監督作品の共通点は、主人公の名前が「凛」であることですね。
 
小川:中学生の頃、阿久悠さんの「凛とした女の子におなりなさい」という詩に出会って、「わたしはこんな人間になりたい!」と思ったんです。そのときから<凛>という言葉が理想の人間像になりました。それで、自分の作品で自分が演じる役名は<凛>と名付けています。 

――最後に、好きな映画や役者を。
 
小川:『ラブ&ポップ』(98)という庵野秀明監督が渋谷の女子高生を描いた作品です。映像表現が自由奔放で、あのくらい溌剌とした表現がわたしにも出来たらいいなと思います。女優では蒼井優さん。先日、山田洋次監督の『家族はつらいよ2』(17)を観たのですが、蒼井さんは『リリイ・シュシュのすべて』(01)のような役をやっているかと思えば喜劇でも何でもできる。でも芯があって、ずっと憧れの存在です。
 
)小川紗良は、銀杏BOYZトリビュートアルバム「きれいなひとりぼっちたち」のジャケットモデルを務めている。

Text: Takeo Matsuzaki

  • 松崎健夫(まつざき・たけお)
    映画評論家。『キネマ旬報』などに寄稿し、『WOWOWぷらすと』『ZIP!』『japanぐる〜ヴ』に出演中。共著『現代映画用語事典』ほか。

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