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(左上・右下)お皿バッグが話題の「シャネル」でサーシャ・ピヴォヴァロヴァが着ていたのは、戦中の映画に出てきそうな懐かしく素朴な風合いのファッション。ストリートではフランスで当たり前にある通り名の看板を模したクラッチをもっているファッショニスタを発見。 (右上・左下)「アニヤ ハインドマーチ」のコレクションは“迂回路”がテーマ。標識をゴージャスなレザーバッグに仕上げたほか、ショーの最後には工事作業員のユニフォームがずらり。 (右)ガール・ネクストドアをそのまま体現したゾーシャ・マメットはNYコレクションであらゆるショーに招待されていた。

Photo : Imaxtree

10/10

10.バナリティ ― 平凡な日常におしゃれがある!

A) 「シャネル」のショーは圧巻。春夏シーズンの“デモ”に続く、パリの日常がテーマになっていたの。パレロワイヤルが丸ごとブラッスリーになっていて、いつから準備してたの?! と驚くぐらい本格的な造り込みがされてた。コレクション自体は、大御所のジャーナリストたちは「いつもよりオーソドックス。リアルクローズになったね」という人もいたけれど、若い世代はそれが新鮮で「素敵! 新しい!」って興奮してた。典型的なパリの風景を切り取って、モードに仕上げたところにまたもや感動。
M) お皿すらバッグになってましたよね。
K) 誰もが知っている、ある意味使い古された“平凡なパリ”のイメージをあえて最先端のモードと組み合わせて表現するのはすごく難しそう。でも、“普通”な何かをテーマにしたブランドが増えましたよね。「アニヤ ハインドマーチ」も数シーズン前から、日常の中で誰でも知っているものをモチーフにしてますけど、今回は道路標識。ショーの最後には、道路工事の作業服を着た合唱団が登場して圧巻でした。
T) 「モスキーノ」も、スタイリングやクマちゃんなんかがコギャル風で、普通の女の子がしている服をとびきりおしゃれにしたらこうなりました! というムードでした。
A) パリはニットの上にニットを羽織るレトロなスタイリングが多くて、「そういえばおばあちゃんってよくこんな風に着こなしをしてるよね」って思うくらい。
K) あ、わかります! こたつで編み物しているおばあちゃん!(笑) 日常といえば、本物のセレブより、自分たちの日常を切り売りしているリアリティセレブの勢いが止まらないですよね。
A) そうそう、パリってスケジュールが過密だから、大女優が来ても会場ではパパラッチ以外比較的冷静だけど、キム・カーダシアンの場合は異様。すごい人だかりができているなと思ったら大体その中心にはカニエとふたりでいる。“カニエ渋滞”も起きていたよ。
M) NYには特にファッショニスタではないキムのママまでいました。
A) 彼女は意外なほど小柄で一瞬驚いたけど、すごく気さくな人柄があふれ出ていた。
M) そういえばNYでは「Girls/ガールズ」のゾーシャ・マメットがいたるところにいました。最初気づかなくて、普通の女の子みたいでした。でも、ファッションコンシャスなんだろうな~ということはよくわかる服を着ていて……。
T) ミラノだと「ポメラート」にサルマ・ハエックが来ていたのですが、彼女も小柄な人で一瞬見逃すところでしたが、オスカーノミニー女優のオーラはさすが。
K) 今は非モード体型でなくてもいいし、とびきりキレイじゃなくてもいい。本当にファッションが好きな人なら受け入れられるんだなと思いました。普通のアイテムをおしゃれに着こなすという“ノームコア”は過去の物になっていて、日常にあふれる普通のデザインを、普通の人が着て素敵になるように昇華させたファッションを着る。これがトレンドなのかも。
A) パリジェンヌがよく口を揃えて言うけど、自分に似合っていることこそが大切。“普通”がより素敵に見えるには、その人自身が重要で、ファッションは特別な誰かのためではなく、すべての人のためにあるというメッセージでもあるのかもね。

  • 【エディターの2015年秋冬お買いものリスト】
    「モスキーノ」のザ・ストリートなスタイルにミラノ担当Tomokoのお買いもの心をくすぐられた様子。オーバーサイズニットにスニーカー。普通のアイテムだけれど、ハイファッションに見えるジェレミー・スコットのデザインセンスを試したいとリストにIN! 

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  • ニューヨーク担当Mana:モデル萌え爆発! 変な人と思われながらも果敢に接近。キアラ・フェラーニに自分の携帯を渡して「自撮りして」と依頼する剛の者。

    ロンドン担当Keiichi:「バーバリー」の会場で、50㎝の距離でサム・スミスを見たら予想以上にお背が高くイケメンで一気にファンに。

    ミラノ担当Tomoko:ミラノでは美味すぎるTボーンステーキを食べる機会に数多く恵まれたため、帰国後体重計が指した結果に驚愕。しばらく素食で過ごすと固く決意している。

    パリ担当Aki:「エルメス」の素材使いに感動し、絶対に手に入れたいと本気で貯金を始めている編集長代理。

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