2009年にデビューしたメンズウェアブランド、「ウミット ベナン」は、トルコをルーツに持ち、NYやロンドン、ミラノといった大都市でファッションを学んできたマルチカルチャーなデザイナー。多くの都市を渡り歩いてきた彼が2017年春夏コレクションのテーマに選んだのが、“Los Bastardos”。砂とサボテンを配置したランウェイを、汗が光る褐色肌で土臭さを表したモデルがウォーキング。砂漠の太陽で日焼けしたようなパステルカラーを多用したコレクションには、女性でも思わず買いたくなるようなアイテムや、真似したくなるスタイリングが登場。洗いざらしで風通しのよさそうなシャツや、背中にサボテンの刺繍を施したウエスタンシャツ、ベルトマークしたガウンなど、亜熱帯地域で見られるレイドバックなスタイルを、カラフルなセットアップがピリリと引き締めて、ショー全体を通してメリハリやストーリー性が見られる展開。ロードムービーの名作『パリ、テキサス』を思わせる世界観に、ショーの後も余韻が残った。
　
□インパクト　★★
□時代に合っている　★★★
□ショーの完成度　★★★
　　
＜シトウレイさんコメント＞
パリメンズコレクションで発表を続けている「ウミット ベナン」だけあって、場所を変えたここ東京でも安定感のあるショーらしいショー。日本初のショーということで、普段は東京のファッションウィークに来ない濃い面々が勢揃いしていました。そういえば、入った瞬間の香りがアンニュイで素敵でした！　会場の雰囲気作りに香りって案外大事ですよね。