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Photo : Osamu Kurihara(4×5)

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“日本”のイメージは自分たちの責任

―今回の映画は、“日本風”なんだけれどもファンタジーじゃないですか。自分が日本人として知っている歴史と、映画の中の“歴史”と比べて「あれ? これは違う」と思ってしまうものがミックスされていて、それが楽しかったんですが、脚本に触れた時に日本人として感じる、その2つの違いの間をどう埋めていったのかを聞きたいです。

柴咲:最初は“日本”ではなく、“アジア”各国のイメージを一緒くたにミックスされてしまうのかな、と思っていたんです。「やっぱり西洋人が作った“日本的”なモノじゃん」と日本のオーディエンスの人に思われるのは嫌だなと心配していました。でも、その感覚自体が少し間違っていたかなと思うところもあって。やっぱりそこにあるのは、彼らから見た“日本”って現状こうだという事実なんですよね。それに対して違和感を感じるのであれば、私たちが広げていかないといけないし……。「違うんですよ。日本はもっとこういう色を使っていて」みたいな細かい色彩感覚やセンスを伝えたいなら、どんどん私たちが広げていけないといけない。それを、(“日本風”のものを)作ってくれた人に対して期待するというのは、何だか違う気がするんです。少しおこがましいような気が……。せっかく日本に興味を持って、テーマにしてくれたなら、それはありがたく受け止めないといけないのかなあと。

 

今回もこういう形でも取り上げてもらって、これから東京でもオリンピックがあって……ってチャンスが転がってくる時期に差し掛かっていると思うので、もし今の状況を変えたいのであれば、ひとつひとつきちんと捉えて、伝承させていかないといけないのかなと思います。またテーマを与えられたような気がします。

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  • 柴咲コウ
    1981年、東京都生まれ。1998年にデビュー。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『食堂かたつむり』『少林少女』での主演のほか、『大奥』『容疑者Xの献身』『舞妓Haaaan!!!』『どろろ』など話題作に多数出演。2002年には音楽活動も開始。今回の作品がハリウッドデビュー作となった。2014年は『真四谷怪談』などの公開を控えている。

  • 『47RONIN』(フォーティーセブン・ローニン)
    監督/ カール・リンシュ
    出演/キアヌ・リーブス、真田広之、浅野忠信、菊地凛子、柴咲コウ
    字幕監修: 冲方丁 「天地明察」、「光圀伝」
    製作/ユニバーサル・ピクチャーズ
    配給/東宝東和
    TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中

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