“私”と“私”の違いを楽しむ30代
―他人から「こうあって欲しい」という自分像と「自分がこうありたい」と思う自分像と、年齢を経てくると乖離が出てくることあるのでは?
柴咲:自分自身には制限を設けてなくて、むしろ年々自分がどういう人間なのかわからなくなってくるのが楽しいっていうのがあるんです。若い頃は自分がどういう立ち位置で、どういう考えをしているのか、わからないことが不安になっていたけれど、どんどん逆に楽しくなってきちゃってます。人がどう思っているのかが気にならなくなってきたなぁとは感じますね。
だけど、どう抗っても覆らないのが人の先入観で、やっぱり15年くらいこの仕事をしてきて、“クール”だとか“冷たそう”だとか“怖そう”だとか“目つきが悪い”とか(笑)言われてきて、30代になってようやく柔らかさが出てきたことによって、それを受け入れてもらっている気がする。けれど、最初の印象って本当に落ちないから、その怖さがあります。もしかしたら、それって日本独特のものかもしれないですけど、ほぼ最初の印象で決まるというのは、多少窮屈だなと純粋に思うときもあります。
でも、そういう社会を変えていくのも、メディアの力だと思うので、そこに自分が引っ張られずに、外の空気を吸って、自分の中の空気を変えて新しいエナジーを入れることができたら、周りの見方も変わってくかなと思います。
-
柴咲コウ
1981年、東京都生まれ。1998年にデビュー。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『食堂かたつむり』『少林少女』での主演のほか、『大奥』『容疑者Xの献身』『舞妓Haaaan!!!』『どろろ』など話題作に多数出演。2002年には音楽活動も開始。今回の作品がハリウッドデビュー作となった。2014年は『真四谷怪談』などの公開を控えている。
-
『47RONIN』(フォーティーセブン・ローニン)
監督/ カール・リンシュ
出演/キアヌ・リーブス、真田広之、浅野忠信、菊地凛子、柴咲コウ
字幕監修: 冲方丁 「天地明察」、「光圀伝」
製作/ユニバーサル・ピクチャーズ
配給/東宝東和
TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中