遅刻未遂と自立の必要
―そういう生活を乗り切るのに、他の共演者たちに助けられた部分はありました?
柴咲:それはすっごく、本当に助けられました。自分と同じように、ハリウッド映画に初めて出る日本人キャストの方もいっぱいいたので、仲間という感じでご飯を食べたり……。ロンドンに移ってからも、打ち合わせも兼ねて日本料理屋さんにみんなで食べに行ったり。
―真田広之さんや菊地凛子さんのような、ハリウッドでの経験が厚い方たちの意見は?
柴咲:ああいった活躍をなさっている方々は皆さん自分でやるべきことをしっかり自分で確立してきた方たちなので、自立していて、おせっかいでもないし、彼らの姿を見て自分も学ぶべきだと感化されました。言われて行動するのではなくて、その時どうしたらいいのかを……。
でも、真田さんなどは本当に優しいので、「こうしたらいいんじゃないの?」ということを柔らかく遠まわしにアドバイスしてくれた部分は劇中にもあります。
―具他的には?
柴咲:大体は所作に関する部分ですね。自分はまだ疎い部分があるので、そういったところを教えてもらった記憶がありますね。
―先ほど“自立”と言われましたが、お芝居以外にも、やりたかった歌を始めたりと、比較的自立してお仕事を選んでらっしゃるように思えたのですが……。
柴咲:私は事務所に所属しているので、事務所が鎧になっている部分、保護されている部分が多分にあります。今回この映画では皆キャストは、マネージャーもおらずひとりで行っているので、それでこれまでのありがたみを身をもって知ったというか。環境がいかに良かったか……。やっぱり守られていたんだわっ、無知だったんだわっ、とか。
交渉とか、明日のスケジュールの確認とか、すべて自分でやらないといけない。例えば、遅刻しそうになったことが1回あったんですけど、「キャーーーーッ」ってパニックになって、電話で「いま向かってます!」て連絡したり。当たり前なんですけど、そういうことを自分でやらないといけない。結局、間に合ったからよかったんですけどね(笑)。基本的にいつも半日くらい待たされるので。とはいえ、焦りました。人のせいにはできないし。全部、自分の責任ですから。
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柴咲コウ
1981年、東京都生まれ。1998年にデビュー。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『食堂かたつむり』『少林少女』での主演のほか、『大奥』『容疑者Xの献身』『舞妓Haaaan!!!』『どろろ』など話題作に多数出演。2002年には音楽活動も開始。今回の作品がハリウッドデビュー作となった。2014年は『真四谷怪談』などの公開を控えている。
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『47RONIN』(フォーティーセブン・ローニン)
監督/ カール・リンシュ
出演/キアヌ・リーブス、真田広之、浅野忠信、菊地凛子、柴咲コウ
字幕監修: 冲方丁 「天地明察」、「光圀伝」
製作/ユニバーサル・ピクチャーズ
配給/東宝東和
TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中