エル・エディターが振り返り! 2015年のシネマ座談会
いよいよ今年からスタートする「ELLEシネマ大賞2015」。読者投票で1年のベスト映画を決めるこのアワードに先駆けて、エルのカルチャー担当エディターが2015年の映画を振り返る座談会を実施。今年の映画界のトレンドや話題作、私的ベストなどをとことん語ります!
まだまだある、エディターのおすすめ映画
Ka:そのほか、リース・ウィザースプーンの『わたしに会うまでの1600キロ』もよかったし、マリオン・コティヤールの『サンドラの週末』もすごくよかった。彼女が解雇を取り消すために、ほかの社員にボーナスを諦めてくれと説得して回る話なんですけど、ラストの一瞬、ジーンとくるんですよ。どちらも女優がほぼノーメークで、自分の力で立ち直って、人生を切り開いていく女性の話っていうのがキーワードなのかな。
N:最後の投票で勝つか負けるかっていう、すごく小さな話なのに面白いんですよね。それから、グザヴィエ・ドランの『Mommy/マミー』は泣けましたね。先日、シャルロット・ゲンズブールを取材したとき、「一番好きな映画は『Mommy~』」と語っていました。彼が撮り終えたばかりの新作には、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセルと錚々たるメンバーが出演していて。27歳ですごいですよね、アデルのミュージックビデオも手がけたり。
Ka:フランソワ・オゾンが出てきたときとはまた違う感じですよね。あと、『フレンチアルプスで起きたこと』も面白かったです。北欧の新星監督が撮っていて、家族4人でアルプスのリゾートにやってきたら、スキー場の人工雪崩が思いのほか大きくなって。そのときに父親が家族を置いてひとりで逃げちゃった。そこから始まるホラーです(笑)。結果的に全員無事だったんですけど、妻が延々と夫が逃げたことをつつくんですよ。男性は観るとつらいんじゃないかな。彼氏と観てはいけない映画であり、女性にとっては爆笑映画でもあり(笑)。
N:『裁かれるは善人のみ』もよかったですよ。救いようのない男女の悲劇が、ロシアの荒涼とした神話的なムードのなかで描かれていて、観終わった後の「素晴らしい映画を見た!」という充実感がすごかったです。あと、『アンジェリカの微笑み』は、101歳の監督の幻の傑作がついに(涙)! 美しいピリスのピアノの音色に誘われ、愛する男女が抱き合いながら、夢幻の世界を漂う浮遊シーンは個人的には1億点(笑)です。
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エディターN:フィーチャー・ディレクター。長年、映画を担当。今年は『マッドマックス~』『野火』『セッション』に痺れ、『サンドラの週末』『バードマン~』『Mommy/マミー』に酔い、『裁かれるは善人のみ』『アンジェリカの微笑み』に陶酔! あと『バクマン。』はラッコ11号のスピンオフを希望(笑)♪
エディターKa:カルチャー担当。今年のベスト映画は『サンドラの週末』『フレンチアルプスで起きたこと』『岸辺の旅』。ベスト海外ドラマは「アフェア 情事の行方」。すべて女性の内なる強さと、夫婦の関係性を描いていて心が痛キモ! 私は未婚ですが(笑)。
エディターKe:ファッション&カルチャー担当。今年のベスト映画は『Ex Machina(原題)』。でも、おそらく11月全米公開の『The Danish Girl(原題)』が個人的ベストを塗り替えるだろうと推測。ふたつともアリシア・ヴィキャンデルが主演で、現在彼女のにわかファン。
エディターS:“it”ボーイ&ガールの発掘に余念のないカルチャー担当。今年、いちばんキュンキュンしたのは『きっと、星のせいじゃない。』のアンセル・エルゴート。
エディターM:カルチャー担当。今年のベスト映画は『セッション』と『マッドマックス~』。スクリーンから伝わる血と汗、熱気と狂気にアドレナリンMAX!