時代の空気を映すセシルカットで一躍パリの人気者に
ジーン・セバーグ
アメリカ女優としては珍しく「小粋」な魅力で、フランスのジャン=リュック・ゴダール監督にも愛されたジーン・セバーグは、長い間、私の憧れの的だった。ベリーショートの髪形があんなに似合う人はめったにいない。若き日の私はマネしてイイ気になっていたけれど、今にして思う、たんに「色気のない女」 。頭蓋骨の形も、顔の大きさや立体感も決定的に違うのよね……。
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『勝手にしやがれ』('59)
ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は車を盗み警察に追われる身。パトリシア(セバーグ)に助けを求めるが、彼女は通報してしまう。撮影、演出などすべてが斬新だったヌーヴェルヴァーグの記念碑的作品。
文・選:中野 翠(コラムニスト)
Photo: AFLO、GETTY IMAGES
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中野 翠
コラムニスト、エッセイスト。『サンデー毎日』に1985年から続く人気コラムをもつほか、映画評論では『週刊文春』のシネマチャートでもおなじみ。近著に、学生運動まっさかりの'60年代の青春を回想した『あのころ、早稲田で』(文藝春秋刊)がある。 -
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