20㎏以上減量したマシュー・マコノヒーが魅せる!
『ダラス・バイヤーズクラブ』
ところで、今年の賞レースのなかで一番の激戦となっているのは主演男優賞部門。前哨戦の各批評家賞でもロバート・レッドフォード(『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』)、ブルース・ダーン(『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』)、キウェテル・イジョフォー(『それでも夜は明ける』)、マシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)らが受賞している。数でいうとキウェテル・イジョフォーの圧勝に見えたが、1月に発表されたゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門でマコノヒー、ミュージカル/コメディ部門では、本命といわれていたブルース・ダーンを押さえて『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でレオナルド・ディカプリオが受賞している。
『ダラス・バイヤーズクラブ』は、HIVに感染し余命を宣告された主人公が欺瞞に満ちた医療の世界に疑いを持ち、独自のネットワークを使って新薬を使うと同時に、エイズ患者たちに販売する……という実話を元にしたドラマ。名もなきウェイトレスが、大企業相手に裁判で勝訴した『エリン・ブロコビッチ』を彷彿とさせる社会派のヒューマンドラマだ。この役を演じるため、セクシーな肉体美で知られるマコノヒーは、20㎏以上減量し、スクリーンを通してみても“ペラペラ”な身体で迫真の演技を魅せる。
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『ダラス・バイヤーズクラブ』
監督/ジャン=マルク・ヴァレ
出演/マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト
配給/ファインフィルムズ
公式サイト/http://www.finefilms.co.jp/dallas
2014年2月22日(土)~、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
text : Atsuko Tatsuta