エディターズPICK 2013/7/1(月)
30歳からの“うつわ”入門【vol.11 青木良太さん編】

時空を超える器に思いを込める、陶芸家・青木良太さんにインタビュー!

岐阜県土岐市にスタジオを構えつつ、世界を舞台に活躍する若手陶芸家、青木良太さん。台湾国際陶芸ビエンナーレ特別賞ほか国内外での受賞歴多数、独自に釉薬の研究を重ね、金や銀といった通常は陶芸に使わない素材を取り入れたり、“誰にもできないこと”に挑戦し続ける青木さんに、器の魅力についてインタビュー!

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長年の研究の結果、不可能といわれていた陶器のワイングラスの制作に成功。世界で青木さんしかつくれない陶器のワイングラス(¥78,750~¥105,000)。「今まで陶器のワイングラスは見たことがないと思います。あっても足の太いゴブレット。陶器で足の細いワイングラスの制作は困難なのです」(青木さん)

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作品なのに日常生活で使えることが器の醍醐味

―いま気になる陶芸家はいますか?
世界中に陶芸家がいて、国によって作風も違いますし、考え方も違います。「ドラゴンボール」でいうなら、それこそ悟空やベジータクラスの作家がそれぞれの国にいるんですよ。ぼくはウェブサイト「IKEYAN☆」のインタビューで、各国のNo.1クラスの陶芸家の方に会いに行っています。
 
そして先日、陶芸のサイト「potter」を開設しました。このサイトではいろんな陶芸家が自分の作品をアップすることができ、誰でも見ることができるんです。これまで日の目を見ることがなかった国や陶芸家が世に出るきっかけとなり、やがて陶芸で食べていける環境ができてくれればいいなと。これからの未来が気になりますね。2年後、3年後がどうなってるかを考えると、ワクワクしてきます。
 
―陶芸の楽しみはどんなところにありますか?
作品を作っているときはもちろん楽しいです。でも、いちばん楽しい瞬間は、自分が見たこのない自分の欲しい作品ができたとき。自分の想像を超えた釉薬ができたとき、ですね。そして、作品を買ってもらえたとき。さらに、その作品を大事に使ってもらっているのを知ったとき。嬉しそうにぼくの作品について話題にしてくれているとき。いろいろありますね。
 
―では、陶芸の醍醐味は?
ぼくにとって陶芸の醍醐味は2つあります。1つは、作品なのに絵や彫刻などに比べて価格が安くて買いやすい。そして日常生活で使えること。2つ目は、陶芸は3000年の悠久の時間を経ても、作品が残る。たとえば縄文時代の焼き物は、しっかり焼かれていないのに、今でも残っています。それを考えれば、技術的にぼくらの作品はそれ以上に残るでしょう。耐用年数がこんなに長いモノって宝石や石などのほか、世の中にそうないんじゃないでしょうか。自分が死んでも作品が残る。大げさに言うなら、人類が滅んでも作品が残る。これが一番の醍醐味です。

  • 器好き必見! 青木さんの作品が世界中で買えるオンラインショップがオープン
     
    「陶芸家・青木良太さんの作品はどこで買えるの?」という声に応え、オンラインストア「RYOTA AOKI POTTERY」が2013年6月27日(木)にローンチ。定番のカップやお皿、ミルクピッチャーなどの食器類「TABLE WARE」、一点モノのアート作品やお茶道具「SPECIAL」、展覧会でも見られない、実験作品の数々「LABORATORY」の3つのコーナーからなる。作品は今後も増えていく予定。お気に入りを探して!
     
    「RYOTA AOKI POTTERY」
    http://www.ryotaaokipottery.com/

  • 青木良太(Ryota Aoki)/新進気鋭の若手陶芸家。従来の枠にとらわれることのない斬新な作風で、数々の賞に輝く。陶芸のみならず、ファッション業界とのコラボ、陶芸家を応援するポータルサイトやSNSなど、精力的に活動を行っている。このたびオンラインストア「RYOTA AOKI POTTERY」がオープン。

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text : Chieko Koseki

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