「わかっているつもりだった」
「わかっているつもりだった」/『少年は残酷な弓を射る』(エズラ・ミラー)
生まれながら特別に感受性が強すぎたとしたら、口に出さない心の声を敏感に感じ取ってしまったとしたらどうだろう。一方、子供を授かっても何故か母としての自覚をもてなかったとしたらどうだろう。『少年は残酷な弓を射る』は、そんなわかり合えない、心が通じ合えない母と息子の屈折した関係を描いた衝撃のサスペンスドラマだ。作家として自由に生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、自分にだけ心を開こうとしない息子のケヴィン(エズラ・ミラー)に悩まされる日々。そして、ケヴィンは16歳の誕生日に恐ろしい事件を起こし、エヴァは過去と向き合うことに……。ケヴィンを演じたエズラ・ミラーの透明な美しさと悪魔のような性格にゾクゾクさせられ、本当に愛するとはどういうことなのかを考えさせられる深すぎる作品!
女子的シネマ名言は「わかっているつもりだった」。映画のラストでケヴィンがエヴァに言ったものすごく深い一言。心を通わせることの難しさと、本気で抱きしめることの大切さを痛感するはず。
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『少年は残酷な弓を射る』(We Need to Talk About Kevin)
2011年
DVD ¥3,990 発売中
監督/リン・ラムジー
出演/ティルダ・スウィントン、ジョン・C・ライリー、エズラ・ミラー
発売・販売元/東宝
公式サイト/http://shonen-yumi.com/
問い合わせ先/
東宝ビデオお客様センター tel. 03-3539-3451
http://www.toho-a-park.com/dvd/
text : Rie Shintani