脚本家としての作品が続々公開

―最後に、僭越ながらあなたの脚本家としての素晴らしい才能を感じたのですが、いま進めているプロジェクトがあれば教えてください。
 
実は今、ウィルと進めている脚本があるの。何年か前に「Frenemy of the State」というタイトル（FrenemyとはFriend + Enemyを合わせた造語で友達のフリをしながら敵である人）のコミックブックの原作なのだけれど、それをベースにした映画の脚本よ。ソーシャライトの女の子がCIAにリクルートされて活躍するという話。
 
それはもう書き終わっていて、別の本に着手しているわ。それはワーナーブラザースと組んでテレビ用のものなのよ。
 
―楽しみにしています。
 
ありがとう！
 
【インタビュー後記】
 
ラシダの極フレンドリーな人柄に、茶目っ気たっぷりの会話があいまって爆笑しながらのインタビューで思わず楽しくなってしまうほど。インタビューしている最中も、次々に日本語を覚えていく驚異の習得力にあんぐり。日本のファッションが好きだと口にしたので、デザイナーを挙げてもらうと、「そうね、ツモリチサトが好きだわ。あとはジュンヤワタナベでしょ、『ズッカ』も好きね。ええと、あと『サカイ』も！　レイカワクボは当然よね。ええとそれからあとはね～『ペイプ』は妹が大好きだからお土産にするし、ええとええと……」と次々に列挙。撮影時もフォトグラファの「一人旅に来た日本で路地裏に入り込んで散歩している設定で」とのやや無茶な注文に最初はインタビュー時と同じく爆笑していたものの、シャッターが押された途端に状況を読みこんで、顔つきも歩き方もガラッと変わり、アドリブのポージングも注文通り……。賢いとはこういうことかと一同尊敬の眼差し。
 
そんな何をやってもうまくこなしてしまう彼女が、唯一思い通りに習得できなかったものが恋愛だったとすると、その奥深さにとりつかれるのも無理はないのかも。でも、「恋愛だけは体験でしか習得できない」という真実に気付けたのも彼女の頭脳ゆえだとしたら、やっぱり天才って羨ましい！