モード界も認める演技派デイン・デハーンが選ぶ今年のベスト映画
読者が選ぶ今年のNo.1映画「ELLEシネマ大賞」。年末の投票に先駆けて、続々と著名人や映画関係者から寄せられた私的ベストを公開中! 「プラダ」のキャンペーンでも存在感を発揮した、デイン・デハーンも参戦。伝説の俳優ジェームズ・ディーンを演じた『ディーン、君がいた瞬間』(12月19日公開)の見どころとともに、映画好きならではの今年No.1映画の推薦コメントが熱い!
ジェームズ・ディーンについての話の75%は嘘だった
——実際の彼を知らずに、写真や映画などのイメージだけで役作りをしていくのは、困難だったのではないですか。
「とても難しかったよ。できる限り彼を研究しながらそこに人間味をもたらすことは、大きなチャレンジだった。彼ほどの人になると、誰もがそれぞれのイメージを抱いている。リサーチの過程で知ったのは、僕が会った人々が彼について語る75パーセントのことは、事実とは反していたこと(笑)。それは彼らのイメージだ。だから僕は僕にとって真実のディーン像を見つけなければならなかった」
——演じる上で、どんなことが鍵になりましたか。
「彼は頑固で妥協を知らないアーティストだ。そして周囲の世界に対して不信感を抱いていた。彼は自分に才能があることを知っていたと思う。さらに自分の人生を自分の手に握って、好きなように生きる能力が自分にはあるということも。周りの人間がそれに関して彼に影響を与えることに抵抗していた。そういう人間性がヒントになった」
——ロバート・パティンソンとの共演はいかがでしたか。彼とは作品についてよく話し合ったのでしょうか。
「そんなに話しあったりはしなかったな。撮影の前に何度か夕食を共にしたぐらい。撮影中はふたりでいることが多かったから、自然に会話も弾んだけれど、ちょうど(映画のなかの)デニス・ストックとディーンの関係に似ていたね。2人とも同じ世代で、仕事を通して絆ができて、お互いから学びあったという。それぞれ道は異なるかもしれないけれど、貴重な出会いだったよ」
Text: Kuriko Sato