『シンデレラ』:世紀の“毒親”になったケイト・ブランシェットのフェミニズム
錚々たるブランドからいろいろなコラボアイテムも発表され、ファッション界でも今年大注目の実写版『シンデレラ』。女性の憧れと同時に、敵対視もされてきた古典中の古典。女性差別的なキャラクターとして知られる継母役演じたのは、女性の地位に対する歯に衣着せぬ発言で知られるケイト・ブランシェット。先輩女優からのいじめ、息子たちのことなどなど、ロンドンでとらえた貴重なインタビューをここに日本最速公開!
先輩女優にいじめられた過去。謙虚さと優雅さで強くなる
「たしかに女性が中心の物語ではあるけれど、ジェンダーにとらわれた見方はしたくないの」とも語るケイト。映画のなかには、母娘、姉妹といった女同士の関係や、女性の生き方だけではなく、王国の行く末を案じる年老いた王と、その期待に応えようとする王子との父と息子の問題や、彼の弱さや優柔不断さすら表現されている。そのおかげで地位と権力と美しさを備えた男性が、貧しいけれど美しいシンデレラに求婚し、いとも簡単に受け入れてしまうという、ご都合主義の恋愛物語を覆していて安心できる。
ケイトは、私生活では劇作家の夫との間に3人の息子をもつ母親だ。「この映画は、女性だけに見せるのはもったいない。息子たちにも見せて、感想を語り合いたいわ」という。
ケイト自身、キャリアの初めの頃、先輩女優から不当な扱いを受け、「自分らしく謙虚かつ優雅に、そして強くなること」で乗り切った体験があると振り返る。
「映画のなかで最も美しいシーンは、シンデレラが継母に向かって『あなたを許します』と言うところ。優しい心は何物にも負けない強さを持つというメッセージを、すべての人たちに届けたいわ」。
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『シンデレラ』
本当の魔法は、あなたの勇気―――。
『アナと雪の女王』『マレフィセント』のディズニーが贈るディズニー・ラブストーリーの原点にして頂点である、名作『シンデレラ』。それから半世紀を経て、物語の本質に立ち返ったことで、新鮮に生まれ変わった実写版は、夢のような衣装と映像マジックで魅せるいっぽう、恐ろしいほどリアルな女性の内面を抉り出す。監督/ケネス・ブラナー
出演/リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット、リチャード・マッデン、ホリデイ・グレインジャー、ソフィー・マクシェラ、ヘレナ・ボナム=カーターほか
公開日/2015年4月25日(土)同時上映『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』
Text : Reina Shimizu