同世代の声を届けるフェミ・アイコン
監督、脚本、主演をこなしたTVドラマ「ガールズ」が絶好調、9月には著書『Not That Kind of Girl』を出版し、今ショービズ界で最もホットな20代、レナ・ダナム。作品では「女性が社会から受けている圧力」を鋭く描き、圧倒的な共感を呼んでいる。彼女が考える「フェミニズム」とは?
「自分の体が好きだわ」
レナ・ダナムの快進撃が止まらない。日本でも放送が始まったTVドラマ「ガールズ」の大ヒットで、ゴールデン・グローブ賞、エミー賞の常連となり、今秋には自伝も出版。世界中の視線が、このショービズ界のイット・ガールに注がれている。
彼女にこれほどの注目が集まるのはなぜなのか? 25歳のときに監督・脚本・主演でスタートしたドラマがたった3年で大成功を収めたというシンデレラストーリーに加え、彼女が業界のステレオタイプ的な〝女優〞ではなかったからだ。
NYに暮らす4人の女の子たちの日常を赤裸々に描いた「ガールズ」は、よく「セックス・アンド・ザ・シティ」に例えられる。けれど、彼女たちはマノロをはいて、運命の王子様を探したりしない。4人はいたって普通の外見で、家賃の支払いに恐々とし、男性から大切にされない自分に思い悩む。レナ演じるハンナはセックスシーンで太めのボディをありのままに見せ、大論争を巻き起こした。ある男性プレゼンターは「レイプしているようで見ていられない」とまでコメントした。
「それってつまり、うっとり目を閉じて求め合うのがセックスだと思ってるからでしょ。世の中はいつだって、私たちの居場所や役割を決めつけるから。でも、ある女の子が『ドラマを見て以来、自分の体が好きになった』と言ってくれて、『すごい! 私は自分の仕事をしたんだ』と思ったわ。自分を憎むこと以上に胸が張り裂けるようなことはないでしょう。ドラマによって、世間が私をデブ扱いするという最悪な不安が現実となったけど、実際はどうでもいいことなの。自分の体が好きだわ」
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LENA DUNHAM レナ・ダナム
1986年、アメリカ・NY生まれ。10代には強迫障害でセラピーに通っていた時期もある。大学卒業後に撮った『Tiny Furniture』でインディペンデント・スピリット新人脚本賞を受賞。これに感銘をうけたジャド・アパトーからの誘いで2012年から「ガールズ」を製作。
「ガールズ」は2015年にシーズン4がアメリカでスタート予定。
Interview NATHALIE DOLVIO