インタビュー 2015/2/14(土)
日本最速オリジナルインタビュー公開

『シンデレラ』:世紀の“毒親”になったケイト・ブランシェットのフェミニズム

錚々たるブランドからいろいろなコラボアイテムも発表され、ファッション界でも今年大注目の実写版『シンデレラ』。女性の憧れと同時に、敵対視もされてきた古典中の古典。女性差別的なキャラクターとして知られる継母役演じたのは、女性の地位に対する歯に衣着せぬ発言で知られるケイト・ブランシェット。先輩女優からのいじめ、息子たちのことなどなど、ロンドンでとらえた貴重なインタビューをここに日本最速公開!

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わかりやすくイビるのではなく、さらっと嫌がらせをするのがケイト演じる継母の特徴。正当な主張をしているだけで、悪いことをしているつもりがない……。そんな無意識の悪意が感じられるいじめ方が、リアルすぎて怖い。

(c) Disney

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自分の欲望のために努力する継母は、時代を問わない女性像

ケイトが演じる継母が最初に登場するシーン。黒いドレスの裾からパンナップする映像が、彼女の気高さ、美しさと強い意志を強調する。映画全編を通して、40年代風のスレンダーなシルエットの衣装を着こなし、美しさや知恵を武器に、権力と富を持つ男性に近づいて、自分も娘たちも最高に幸せになりたいと全力を尽くす彼女の生き方に、観客はふと感情移入しそうになる。
 
だから、今回の映画『シンデレラ』で描かれる継母像は、私たちがこれまで知っていた悪母とは少し違っている。夫を失い、年頃の2人の娘を、たとえその方法は捻くれていたとしても懸命に愛し、シングルマザーとして精一杯生きようとする彼女の姿は、現代女性の生き方にも通じるように思われる。

しかし、ケイト自身は、「この映画が特に現代的な解釈を加えているわけではないと思うわ。自分の欲しいものを手に入れるために努力を惜しまないというのは、時代を問わず普遍的な女性像だから」と語る。

「『シンデレラ』はあくまでもおとぎ話。今回の映画は古典を忠実に再現したもので、古典には、どんな時代にも通じる普遍性があるから、今の私たちの心にも響くのではないかしら。継母役は典型的な悪役で、演じるのは本当に楽しい体験だった」と、微笑みながら振り返る。
 
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  • 『シンデレラ』
     
    本当の魔法は、あなたの勇気―――。
    『アナと雪の女王』『マレフィセント』のディズニーが贈るディズニー・ラブストーリーの原点にして頂点である、名作『シンデレラ』。それから半世紀を経て、物語の本質に立ち返ったことで、新鮮に生まれ変わった実写版は、夢のような衣装と映像マジックで魅せるいっぽう、恐ろしいほどリアルな女性の内面を抉り出す。

    監督/ケネス・ブラナー
    出演/リリー・ジェームズ、ケイト・ブランシェット、リチャード・マッデン、ホリデイ・グレインジャー、ソフィー・マクシェラ、ヘレナ・ボナム=カーターほか
    公開日/2015年4月25日(土) 

    同時上映『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』

    http://www.disney.co.jp/movie/cinderella.html

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Text : Reina Shimizu

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