>
<

『プリティ・プリンセス』のアン・ハサウェイは厳しい王室マナーを特訓。でも自分を卑下するマナーは、むしろ“非おもてなし”。

Photo : Jerry Watson/Camera Press/AFLO

4/5

おすすめできない“マナー”

―マナーが世の中にはびこっていますが、やってはいけないマナーってありますか?

重田:絶対にやってはいけないことはありませんが、おすすめしないのが、マナー上、相手を思って手土産を渡すとき「つまらないものですが」「お恥ずかしいのですが」、何かをしてあげるときに「大して力にはなれないと思いますが」「私なんかでよかったら」というような、自分をすごく卑下した前置きをする人がいます。それって、相手の立場になって考えたら反応に困りますよね。お茶菓子を持ってきて「おいしくないかもしれませんが」などと言われたら「そんなことないですよ」とも言えないし……。だったら「これ私大好きで、すごくおいしいって評判なんですよ」と言った方が、それを選んで持ってくるまでにかけた時間が想像できます。「大して力にはなれないかもしれませんが」と言われても、そんなことないですよとしか言えませんが、「是非力になりたいんです」と言えば何かしてもらおうという気になる。自分を卑下すれば日本人的な控え目さを強調するマナーとしてはいいのかもしれませんが、相手が困ります。相手が反応に困らないように、返答しやすいように話をするのもおもてなしです。

―おもてなしのためには、自分が嬉しかったこと、嫌な気持ちをせずに済んだこと、ひとつひとつを「なぜだったんだろう?」と考え、覚えておくことが必要そうですね。

重田:そうです。なぜか会った瞬間から楽しかった、なぜか心地よかった、なぜか嬉しかった。そこには“何か”があります。その“何か”が大事で、相手がパッと明るくなってくれた、つま先立ちするくらい脚がワクワクしていたのか、何かあるんです。

  • Profile : 重田みゆき(しげた・みゆき)
    インプレッショントレーナー(R)、印象評論家。国際線客室乗務員では表彰されるほどの接客力を発揮。都内老舗ホテルのVIPラウンジのマネージメントでは、売り上げを100倍にするなど接客のプロとして活躍。NTTドコモ、HondaCarsなどの企業や、政治家や企業役員のメディアトレーニング、大学のホスピタリティ・マネージメント学科で教鞭をとるなど、幅広い年齢層に印象アップの方法をレクチャーしている。近著に『印象力で夢をかなえる。』(三笠書房)がある。

「【EOLアカデミー1限目・接待】重田みゆきが伝授するおもてなし術 」トップへ

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へインタビュー一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト