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『日の名残り』のアンソニー・ホプキンスのように自分がサービスする側でなかったとしても、褒めるだけでも“お・も・て・な・し”。

Photo : Everett Collection/Aflo

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マナー≠おもてなし

―20代の若い人が接待に関して気になるのは、そのマナーのようですが……。

重田:マナーって何のためにあるのかな? と考えたら、他人に嫌な思いをさせないためにあります。でも、もてなしは、相手に喜んでもらうこと。嬉しいことは出会う人それぞれ、シチュエーションによって異なります。そこで、「人に喜んでもらいたい!」という姿勢が必要なんですよね。

たとえばマナーとされることに、「お食事のときに黙って静かにいただく」というものがあります。でも、(会社の接待の席で)そんなことしていたら、人気出ませんよね。「おいしい!」と表現したり、「二次会行きましょう!」「カラオケいきましょうよ」と誘われた方が嬉しいもの。マナーともてなしは、そのあたりが違いますね。

―「おいしい!」とおっしゃいましたが、そういった感情表現はしたほうがいいと?

重田:そうですね。良い方の気持ちは、全部出す。たとえば、飲み会のお店が用意されるまでには、そこを押さえてくれた幹事さんなりの努力があるわけです。自分は何もせずにそこに参加しているのだとしたら、お店に入って「素敵なお店ですね」「嬉しいです」や「どなたがこのお店を探してくださったんですか?」と表現したら、幹事さんをいい気持ちにさせることができる。おいしそうな食事が運ばれて来たら「わあ、おいしそうですね!」「お腹すいた~」などと言えば、サービスをしてくれている人がいい気持ちになりますよね。作ってくださった方も……。自分自身はもてなす側でなかったとしても、そう口にすることで、そこで動いてくれている人たちが「もっともてなそう」と思ってくれて、力がパワーアップするのではないでしょうか。良い方の気持ちを自分が表現することだけで、皆の“もてなし力”が大きくなっていく。それもおもてなしです。

  • Profile : 重田みゆき(しげた・みゆき)
    インプレッショントレーナー(R)、印象評論家。国際線客室乗務員では表彰されるほどの接客力を発揮。都内老舗ホテルのVIPラウンジのマネージメントでは、売り上げを100倍にするなど接客のプロとして活躍。NTTドコモ、HondaCarsなどの企業や、政治家や企業役員のメディアトレーニング、大学のホスピタリティ・マネージメント学科で教鞭をとるなど、幅広い年齢層に印象アップの方法をレクチャーしている。近著に『印象力で夢をかなえる。』(三笠書房)がある。

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