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『カクテル』のトム・クルーズ。ここまでしなくても、おもてなし術ひとつで、お酒の場で人を惹き付けることができる。

Photo : Moviestore Collection/AFLO

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お酌は自分のPRどきと心得て

―まずは接待といえば職場での飲み会、食事の席。そんなときのティップスを教えてください。

重田みゆき(以下、重田):若い方たちにホスピタリティの授業などをしているのですが、そもそも自分からお酌しに行くという習慣が、最近はないみたいですね。マナー本などに、「女性はお酌するものではないと書いてある」のを誤読してか、しない人が多いです。それだけではなく、適当に隣の人としゃべっておしまいにしてしまう……。特に飲み会や、食事の席を“自分たちが出席することだけ”の場にしてしまっているんですね。

なので、コミュニケーションのひとつとして最初の乾杯の後に、皆のところに行って「今日はお誘いいただいてありがとうございます」「ご一緒させていただいてうれしいです」と挨拶に行く。その時、普通だったらお酌して終わりにするところを、乾杯を皆さんと個別にするということをおすすめします。「△△部の●●です」と言ってお酌した後に「乾杯していただけますか?」と乾杯する。外国人だったら「はじめまして」と言って握手しますよね。その握手の感覚で、皆と乾杯をします。

そしてここがポイントです。お酌をし、乾杯のきっかけをつくり、「乾杯していただけますか?」と言って自分のグラスを顔の位置まで上げる。そうすると、自分の顔を相手に見てもらえるんです。そこで「これから頑張ります」などの言葉を残せば、印象に残りますよね。そうすると、そういうことをする若い人は今とても少ないので、挨拶した人に自分への期待感を、他の人よりもずっと多くわかせることができます。

“おもてなし”とは、人を喜ばせること。相手に喜んでもらうことがおもてなしなら、職場で喜んでもらえることは、頑張って働くということだと思うので、職場での“もてなし力”とは、同じ職場の人にやる気を見せ、「このコがんばってくれそうだなぁ」と期待感をわかせるということだと思います。

その職場で働く以上、陰で動くことがおもてなしではなくて、目の前のことに積極的に参加するやる気を見せることこそがおもてなしです。人は、そして企業は働く意欲が欲しいのですから。

  • Profile : 重田みゆき(しげた・みゆき)
    インプレッショントレーナー(R)、印象評論家。国際線客室乗務員では表彰されるほどの接客力を発揮。都内老舗ホテルのVIPラウンジのマネージメントでは、売り上げを100倍にするなど接客のプロとして活躍。NTTドコモ、HondaCarsなどの企業や、政治家や企業役員のメディアトレーニング、大学のホスピタリティ・マネージメント学科で教鞭をとるなど、幅広い年齢層に印象アップの方法をレクチャーしている。近著に『印象力で夢をかなえる。』(三笠書房)がある。

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