インタビュー 2013/12/9(月)
国務大臣にロングインタビュー

【後編】女性活力担当大臣・森まさこ“働く女の生きた道”

「女の道は一本道にございます」。そんな流行語が出回ったのも嘘かのように、ますます働く女性の人生は複雑化してきている様子。そのためか、女性に特化した支援策が世界的潮流になっている今、“女性活力担当”として重責を負う、森まさこ国務大臣にインタビューを敢行。これまでと、これからの政策、そして自身の働く女性としての経験をクローズアップ! 今回は、「ガラスの石ころ」が女性の働く道をはばむと語る、後編を公開。

大臣室の机上には、娘2人の写真。

―女性に特化した支援をするために、ご自身の女性としての経験が役に立っている部分はありますか?

森:私が大臣になったのは、みんなも不思議だし、私自身も大変不思議なんですが(笑)、政治家で1回しか当選していないのに大臣になってしまった。副大臣、政務官入れてもみんな先輩。一番下っ端(笑)。なんで1年生の私が大臣になったか?と問われたら、女性活力大臣になるため、それが選ばれた一番の理由だと思っています。

 

私は弁護士になってから20年たちますけれど、私はその間に子ども2人を産みました。最初に就職した弁護士事務所は、1人目の子の妊娠中に辞めました。その後、留学から帰国したのを機に、自分だけの事務所を作りましたが、保育園も見つからず、見つかったと思ったら、2人目が産まれ……。さらには上の子と同じ保育園には入れてもらえず、待機児童になり、やっと見つけた保育園は遠くにあって、朝はこっちとあっち、まったく別の場所にある保育園に寄ってから、当時勤めていた金融庁に登庁するという毎日を送っていました。地下鉄なんかじゃ到底間に合わないので、自転車で行くんです。上の子は下の子を送りに行くのに置いてはいけません。だから、自転車の後ろと前に子供を乗せて走ります。でも途中で「お母さんウンチ!」とか始まったら大変。近くのお店に「すいません! トイレ貸してください!!」って駆け込んで(笑)。

 

そのうち、熱も出しますでしょ。私の時代は病児保育がなかった。熱が出たら保育園は預かってもらえませんので、自分で作った事務所に熱を出した我が子を連れてきて、抱えながら依頼者の相談を受けるとかしていました。夫も駆け出しの弁護士でしたから、若い弁護士が育児休業を取るなんていうことは、当時望めないし、彼も夜中まで働いていますからね…。

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  • 森まさこ

    1964年、福島県生まれ。国務大臣。女性活力・子育て支援担当大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画)。自民党参議院議員。弁護士。幼少期、借金取立てに怯える日々を救った弁護士に憧れ、東北大学法学部卒業後、司法試験に合格。「ココ山岡事件」「オレンジ共済事件」など話題となった消費者事件を手がける。日本弁護士連合会の推薦により、長女を出産直後、ニューヨーク大学ロースクールに留学。次女を出産後、夫のワシントンDC留学に同伴し、専業主婦経験を経験。帰国後、2005年金融庁の任期付職員に。グレーゾーン金利の廃止に貢献。2007年参議院議員に当選。2012年より現職。

    公式HP http://www.morimasako.com/

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