失望5:やっぱりお金
なんやかんや言っても結局お金―――。そう割り切れなかったところがヒラリーの敗因。彼女が訴えた政策にはマイノリティや女性、社会保障などのイメージが強く、経済の明るい未来を提示できなかったから……という見方がエコノミストからは出ているけれど、その視点が明かにするのは、票を得るためには平等よりも、格差是正よりも健康よりも、まずはお金について話せばみんなOK! ということ。
それに対してトランプがやったことと言えば、「上がらない賃金に広がる格差が、癒やすことができないくらいの不快感になっていた」人たちに、「これは貿易不振と(不正に)操作されている経済のせいだと信じさせた」(ザ・カーディアン)こと。詐欺かと心配になるような説得の仕方だけれど、結局勝利できたので、お金の問題を単純化するととてつもない影響力を発揮するということが改めて判明。ヒラリーが嫌われた理由のひとつも高額収入を得ていたからだし、お金って怖い。