金曜日の毒母たちへvol.2―――ジョーン・クロフォード、娘を絞殺しかけたオスカー女優
「No Wire Hangers!!(針金ハンガーは許さないわ!)」 映画『Mommie Dearest』で子役を殴りながらこう叫んだフェイ・ダナウェイが演じていたのは、ハリウッドを代表する往年の美人女優ジョーン・クロフォード。人々は彼女をこう呼ぶ、“娘を絞殺しかけた鬼母”と……。
それだけではない。酔ったジョーンは夜中にしばしば子供たちをたたき起こし、掃除の仕方がなってないと何時間も床を磨かせた。あるとき母親の逆鱗に触れたクリスティーナはお気に入りのドレスを引き裂かれ、続く一週間そのぼろぼろの残骸を着るよう強制された。生焼けの肉を残したときは、数日間食事を与えられなかった。長男のクリストファーは夢遊病を防止するという理由で毎晩ベッドに拘束されていた。あらゆることが母の怒りのトリガーとなった。
https://www.youtube.com/watch?v=fqM1ttqNA9k&feature=youtu.be
映画『愛と憎しみの伝説』には、娘が針金のハンガーに服を吊るしているのを見て逆上し、ハンガーで殴りつける場面がある。「母が私を愛していないと知ったのは13歳のときでした」とクリスティーナは語る。「ある日、母は私を床に押し倒し、首を絞めたのです。目を見て、本気で殺すつもりだとわかりました。幸い、誰かが部屋に入ってきて、私は死なずに済んだのです」。ウォルト・ディズニーが『白雪姫』の継母の魔女をジョーンを念頭に造形したのもうなずける。
Original Text: CATHERINE ROBIN Text: IZUMI MATSUURA