ルール2
“これがしたい”より“これだけは嫌”をはっきり意識
結婚するなら……という話をすると、こんな人とこういう生活がいい、年収はいくら以上がいい、とポジティブ条件を示せる人は結構います。そしてその条件は、夢と諦めと妥協の紆余曲折を経て増えたり減ったりしながらも、亡霊のようにつきまとうもの。何かと結婚を決断できる女はそういったポジティブ条件もあげようと思えばあげられるのでしょうが、それよりも、自分が耐え難く嫌なこと、いわば確固としたネガティブ条件を持っている人が多い。例えば、“貧乏だけは嫌”“都会生活しかできない”など。そうすると、絶対に拒絶しなくてはならない状況を招き入れることがなくなるので、ポジティブ条件で前に進んでいる人よりも、その時々の障害と向き合うのが楽になります。例えば、年収も顔もクリアしてるけど海外赴任の希望出すとか言い出しちゃってどうしよう、という悩みで結婚が頓挫することもないからです。
Text : Suzumi Suzuki Photo : Getty
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鈴木涼美/社会学者、作家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。記者として在籍した日本経済新聞社を退社後、執筆業を中心に活動。著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)や『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)など。Twitter:@Suzumixxx