特集
2017/01/18(水)

「結婚」なんてもう古い? ヨーロピアン的「事実婚」という生き方

日本ではなかなか浸透しない「事実婚」という制度。自分にあった仕事や働き方を探すように、自分にあったパートナーシップのあり方として事実婚を考える、そんな時代が来ているのかも?

> <

3/4

2.「同居人」の関係でも社会的保護が受けられる!?スウェーデンのSAMBO(サンボ)

「イクメン」の言葉が陳腐に感じられるほど、男性が家事や育児に参加するのが当たり前のように語られる、男女平等先進国スウェーデン。日本のような戸籍制度や扶養家族の制度がなく、結婚前の「同棲」が社会的に認められているスウェーデンでは、同じ家に住むパートナーや同棲しているカップルのことをSAMBO(サンボ)という。サンボとは、スウェーデン語でSam=一緒に、bo=住む、つまり同棲という意味。単なる恋人よりもさらに踏み込んだ関係で「婚約中」というような意味合いでも使われる。スウェーデンではサンボのカップルがとても多く、新生児の約半分がサンボの家庭で生まれるというから驚き!サンボの間に生まれた子供も、結婚したカップルやその間に生まれた子供と同様の社会的保護が受けられる。財産の管理を個人で行えるサンボは、残念ながら別れることになった場合も財産分与の問題などがなく、二人で築き上げたものはきっぱり折半。でももし別れてシングルマザーになったとしても、手厚い福祉のおかげで子供を育てやすい、という環境がある。共働きが多いスウェーデンでは、結婚=経済的安定が守られるもの、という概念がないのは当然のこと。「離婚の手続きは面倒なので、離婚するぐらいだったら同棲をして同じ生活をした方が合理的」「結婚は同棲よりも多少ロマンティックなだけ」「パートナーは必要だし、家族も作りたいけれども、常に経済的、精神的に独立した一個人でありたい」などなど、サンボを選ぶ理由は人それぞれだけど、「結婚」が家族の重要なシンボルだと考えず、子どもを一緒に育てるほうが生涯続く重要な約束だと考えるのはある意味自然の流れなのかも。

Text: Tomoko Nourry  Photo: Getty Images

  • Tomoko Nourry/フリーランスライター。雑誌編集者を経て、2016年より海外へ移住。事実婚関係の夫とともに世界中を転々とする日々。

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト