特集
2017/01/18(水)

「結婚」なんてもう古い? ヨーロピアン的「事実婚」という生き方

日本ではなかなか浸透しない「事実婚」という制度。自分にあった仕事や働き方を探すように、自分にあったパートナーシップのあり方として事実婚を考える、そんな時代が来ているのかも?

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1.信じるのは紙切れではなく愛情。フランスで浸透するPACS(パックス)という生き方

同性、異性を問わず成人年齢に達したもの同士が助け合い、安定した共同生活を営む、という生き方にも法的保障をしてもらえるフランスという国。その共同生活のための契約を指すPACS(パックス)は、申請をすることで、オフィシャルなカップルとして社会的に認知され、結婚と同様の権利(社会保障、税金などの優遇措置、相続の控除など)が受けられる。もともとは、結婚が認められていなかったLGBTカップル向けの制度として考案されたもので、今では男女のカップルにも浸透している。驚くほど離婚率が高く、しかも複雑な手続きで労力もお金もかかるフランスでは、結婚するメリットを感じず、パックスだけで一生を過ごすカップルも多い。フランスは、出産・保育手当、住居手当、ベビーシッター費の免税など社会保障が充実し、子供が多いほど減税率も高く、学校の授業料は大学まで一貫して無償、と教育費も基本的にはかからない。そうした多くの制度が、パックス、シングルマザー関係なく受けられるので、ますます「結婚」への敷居は低くなる。永遠の愛を誓う結婚に比べるとロマンティックさには欠けるけれど、日本のように結婚以外の選択肢だからといってネガティブなイメージを持たれたり、パックスカップルから生まれた「婚外子」が周囲から好奇の目で見られることもない。

2007年から交際し、まもなく二人目の子どもの誕生を迎えるマリオン・コティヤールとギョーム・カネもパックス婚。

第二子を妊娠しながらも「結婚する意思はない」と断言しているマリオン・コティヤール×ギョーム・カネのカップルや、別れてしまったけどヴァネッサ・パラディ×ジョニー・デップ、シャルロット・ゲンズブール(両親のジェーン・バーキン×セルジュ・ゲンズブールも)など、み~んなパックス婚なのだ。

Text: Tomoko Nourry  Photo: Getty Images

  • Tomoko Nourry/フリーランスライター。雑誌編集者を経て、2016年より海外へ移住。事実婚関係の夫とともに世界中を転々とする日々。

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