授賞式直前! 映画のプロが語り尽くす2018年オスカー座談会
2018/02/23(金)
> <

3/7

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018年5月4日公開)で強烈な毒母を演じたアリソン・ジャネイ。

女優賞はほぼ確定? ママ役強し!

S :助演女優賞のほうは、ママ対決。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャネイが強いでしょうね。エミー賞を何度も受賞していてテレビで活躍してきたから、オスカーでそろそろ認めてあげないとっていう。

Y :ちなみに『アイ,トーニャ〜』って、世代によって反応が全然違うんですよ。

S :若い人、トーニャ・ハーディングを知らないんですよね。「トーニャって誰?」ってググっちゃったって。

Y :あんなにすごい事件なのにね(笑)。今回初ノミネートのメアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド 哀しき友情』)は、アーティストとしてずっと好きだったんですけど、彼女ってすごく女優をやりたい人なんですよね。それで拾い上げてくれたNetflixさんありがとう、みたいな(笑)。でも彼女は取れないでしょうし、今年は配信スタジオ系はあまりノミネートもされていなくて厳しそうですね。脚本賞でAmazonスタジオの『ビッグシック 大いなるめざめ』くらいですからね。去年はそのAmazonの『マンチェスター・バイ・ザ・シー』があったけど。

写真のSAG(全米映画俳優組合賞)を含む前哨戦でほぼ全勝状態のフランシス・マクドーマンド。これまでにオスカー、エミー、トニーと三冠に輝く実績の持ち主。Photo: Getty Images

Y :お次は主演女優賞。当確はフランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)ですね。マーゴット・ロビー(『アイ,トーニャ〜』)は残念ながらノミネート止まりになりそう。シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)がようやく日の目を見てうれしかったけど、難しいでしょうね。

S :フランシス自身は「若い人に賞を」って言ってますよね。

Y :サリー・ホーキンスにもあげたいですけどね。他の候補はみんな台詞をしゃべってるけど、彼女はひとり手話ですから。『シェイプ・オブ・ウォーター』は彼女じゃなければ撮れなかったと思う。

O :サリー・ホーキンスはもうひとつの作品『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』も体が不自由な役だったんですよね。前哨戦ではこちらの作品も引っかかってたので、彼女は2本分で評価されてることもありそう。

  • ●主演女優賞
    サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)
    フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)
    マーゴット・ロビー(『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』)
    シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)
    メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)
     
    ●助演女優賞
    メアリー・J・ブライジ 『マッドバウンド 哀しき友情』
    アリソン・ジャネイ 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
    ローリー・メトカーフ 『レディ・バード』
    オクタヴィア・スペンサー 『シェイプ・オブ・ウォーター』
    レスリー・マンヴィル 『ファントム・スレッド』

Text: Mirei Hirose

  • 【座談会参加メンバー】

    猿渡由紀/LA在住映画ジャーナリスト。ハリウッドスターや映画監督のインタビュー、撮影現場レポート、コラムなどを日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿。今年のオスカー関連の個人的な推し作品は、3回鑑賞した『ゲット・アウト』。

    よしひろまさみち/映画ライター。情報誌、女性誌、ウェブサイトなどで映画レビュー、インタビュー記事を連載。日本テレビ系『スッキリ!』などで映画コーナーも担当。個人的な推し作品は、ティモシー・シャラメくんが美しすぎる『君の名前で僕を呼んで』。

    オスカーノユクエ/アカデミー賞、全米興行収入の話題を主にレポートするサイト「オスカーノユクエ」管理人。個人的な推し作品は、脚本力が見事な『スリー・ビルボード』。http://oscar-no-yukue.com/

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト