ウディ・アレンはなぜ支持されるのか—ハリウッドで性犯罪者が生き残れるわけ
N:今回、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを暴いたのは雑誌『ザ・ニューヨーカー』に掲載されたローナン・ファローの記事でしたよね。彼は父親のウディ・アレンの幼児虐待の罪(※)を明らかにすることにこだわっているから「あ、ここ繋がった!」って思いました。
P:子どもの頃、自分の姉のディランが虐待されているのを絶対見ているのよね。
K:でも子どもが言うことだから信用してもらえなかった。
P:ローナンが何度も暴こうとしていたけれど、逆に何度も告訴されているのよね。
N:私、ウディ・アレンが生理的にいちばん受け付けないんですよ。
P:ウディ・アレンの新作『A Rainy Day in New York(原題)』も公開が危ういんではないかしら。ジュード・ロウがエル・ファニングを誘惑するんでしょ?
K:ウディって自分を登場人物の男性に重ねてますよね。そこが気持ち悪い。
P:ジャド・アパトー(プロデューサー『40歳の童貞男』「GIRLS/ガールズ」)が「ウディ・アレンから仕事のオファーがきた女優はなぜ逃げ出さないんだ」って不思議がってる。
N:本当に不思議ですよね。どうして出たいと思うんだろう。
P:大人な女優は「私にはウディは来ないな」って思っているんじゃない? ペネロペ・クルスとかケイト・ウィンスレットとか。でも若い女優さんだったら……。出たいっていう子はいるのよね。ずっとお母さんとかエージェントがそばにいてくれないと困る、って思うかもしれないけれど。
K:どうしてウディ・アレンとかロマン・ポランスキーと(※2)か、明らかにペドファイル(児童性愛者)犯罪者の監督がいまだに支持されてるの?
P:映画ファンの人は私生活と作品は別だと思っているみたい。あとカンヌとかも賞をあげているし。「私たちはアメリカのピューリタン的な人とは違う」という意識を示そうとしているのかも。
N:だからウディも堂々とカンヌを歩くんですよね。
P:あの人、アカデミーには来ないじゃない! 世界同時多発テロ後にニューヨークを讃えるために出席したのが最後よ。
N:ゴールデングローブも。でもカンヌは堂々と。
P:イタリアで撮っていることも多かったし。国にもよるけどヨーロッパの方が甘いのよ。
K:政治家ですら私生活と仕事は別ってすごく分けてますからね。でも今回の事件は、仕事である映画産業のなかで権力を利用した犯罪。「仕事と私生活は別」とか言ってのうのうと生きられると思ったら大間違い。
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※1 ウディ・アレンは当時のパートナーのミア・ファローの養女スン・イーと男女関係になり、その後結婚している
※2 強姦と異常性行為を含む6件の罪で起訴され、米国外逃亡。もし米国内に戻れば即逮捕の状態
Text: Yoko Nagasaka
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