セクハラと#MeTooはどこに向かうのか? データに見る日本でのフェミニズムの台頭
日本中で巻き起こっているセクハラ告発と#MeToo運動。これからどうなる? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンでブランド・コミュニケーション戦略をリードする大橋久美子さんがデータを使いながらその真相を解説する。
データに現れていた日本女性たちの「反セクハラ意識」
実はこの官僚告発のかなり前から、日本女性たち、特に若い女性たちの間では、今までの状況の変化を求める意識は、すでに起こり始めていました。
JWTの世界的調査“Women Index”のデータを見てみましょう。まずは2016年と2018年の日本女性の意識比較です。
2016年と比較して「メディアで女性を性的対象物として描くことが多すぎる」という項目に「Yes」と賛成する女性たちは、2018年の調査で明らかに増えているのです。昨年は以前にも触れたように宮城県観光誘致など話題狙いのキャンペーンが炎上したことも影響しているのかもしれません。また性的な対象物となることだけでなく、ある紅茶飲料がSNS施策で大炎上したことでもわかるように、女性そのものを愚弄することにも女性たちは今まで以上に「No」を突きつけたいと思ってきていたことの証左だと思います。
Text: Kumiko Ohashi
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大橋久美子/J・ウォルター・トンプソン・ジャパン 戦略プランニング本部長。東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年J・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。
※当該記事の内容は個人的な見解であり、会社の見解を反映するものではありません
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“JWTグローバルで実施のWomen Index調査”
日中米英印等9カ国(2018年)14カ国(2016年)/18~70歳女性各国500人/人口による年齢割付/オンライン調査