特集
2018/05/09(水)

セクハラと#MeTooはどこに向かうのか? データに見る日本でのフェミニズムの台頭

日本中で巻き起こっているセクハラ告発と#MeToo運動。これからどうなる? 世界最大の広告会社グループWPPの中核企業、ジェイ・ウォルター・トンプソンでブランド・コミュニケーション戦略をリードする大橋久美子さんがデータを使いながらその真相を解説する。

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実名顔出しで性的被害を告発したジャーナリスト・伊藤詩織さん(Shiori Ito)Photo: Aflo

沈黙を破り始めた日本の女性たち

今、日本でもセクハラ、強制わいせつが話題になっています。官僚界のトップや芸能人が引き起こしたセクハラ問題が公になり、日本においても #MeToo運動が活発化してくるきっかけになるかもしれない……。そんな萌芽を感じている方も多いことでしょう。

広告業界にいる私は、昨年12月のはあちゅう氏の告発はインパクトのあるニュースとして受け取っていましたが、その後の #MeTooは、欧米各国はもちろんのこと隣国韓国ほど盛り上がりを見せていませんでした。

なぜそうなるのか。終身雇用がいまだに「当たり前」とされる状況のなかでは、組織内外のセクハラを告発しづらい環境になってしまうことは容易に推測ができます。今回の件も、被害を受けた記者が所属していたテレビ局側は表ざたにせず収めようとしていた経緯を見ても、一般的には組織全体の利益を考え、泣き寝入りを強いられることが多いことが浮き彫りになりました。この記者の方やはあちゅう氏のように、メディアの力を思い切って利用できた女性たちは声を上げることに成功していますが、現実的にはとてもハードルがあります。

しかし今回の告発以降、今まで黙っていた日本の女性たちがやっと声を上げ始めたとして海外メディアでも取り上げられるようになってきました。

Text: Kumiko Ohashi

  • 大橋久美子/J・ウォルター・トンプソン・ジャパン 戦略プランニング本部長。東京大学文学部社会学科卒、博報堂マーケティング局、研究開発局を経て、2003年J・ウォルター・トンプソン・ジャパンに入社。広告業界で25年、アジアや日本の女性たちと向き合いながら、女性たちを輝かせるためのブランディングを行う。

    ※当該記事の内容は個人的な見解であり、会社の見解を反映するものではありません

  • “JWTグローバルで実施のWomen Index調査”
    日中米英印等9カ国(2018年)14カ国(2016年)/18~70歳女性各国500人/人口による年齢割付/オンライン調査

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