年収2400万円以下の男性の専業主婦になってはいけない理由
最近終わったあの逃げたり恥じたり萌えたりするドラマでも注目された専業主婦の労働価値。アメリカで試算された額はなんと年収1200万円! なのにあのドラマで見積もられた専業主婦の安月給ときたら……。この差はどうして生まれたのか? その背後にある“搾取”の正体について。
“無償の愛”が誰かを苦しめる
あらためて英国の試算を振り返ってみる。年収1200万円の内訳はこのようなもの。炊事は「シェフ =年収約430万円」、育児は「住み込みナニー=年収約287万円(部屋・食事つき)」、介護・看護は「ナース&セラピスト=年収約415万円」……。なぜこれほど高額になるのかといえば、家事の代替職業の半数ほどを「プライベート○○」に仮定しているから。プライベートシェフ、プライベートナース、住み込みナニーなどなど。なので、上流志向の家庭で読まれる『テレグラフ』誌では、雇ったと想定する「プライベート○○」もハイクラス。なので、自動的に試算が高くなったと考えてよさそう。専業主婦(夫)の仕事はその家庭専任。他の家庭にも出かけて稼いでは来られない。当然収入は高くなってしかるべし。夫の稼いできた半分は妻のもの。そう考えるとやっぱり2400万円以下の年収の夫と専業主婦契約を結んではいけない。もちろん、比喩的に言えばではあるけれど。
この計算をあさましいと考えるのはその人の自由。でも美しき無償の愛が、実は誰かの足を引っ張っている。保育・介護の苦しい現場を改善させることができるかどうかは、もしかしたら“あさましい計算”にかかっているのかもしれない。