特集
2016/12/28(水)
News Editor's Eye

年収2400万円以下の男性の専業主婦になってはいけない理由

最近終わったあの逃げたり恥じたり萌えたりするドラマでも注目された専業主婦の労働価値。アメリカで試算された額はなんと年収1200万円! なのにあのドラマで見積もられた専業主婦の安月給ときたら……。この差はどうして生まれたのか? その背後にある“搾取”の正体について。

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税金で払われていない私立保育士の賃金の安さは問題に。「賃金構造基本体系調査」をもとに計算すると私立保育園の月給は平均35歳で21万円程度だそう。暮らしていけない。

Photo : Getty Images

家事が安いと保育士が苦しむ?

ここで浮き上がってくるのがもうひとつの事実。つまり現在の日本における保育士(私立)、調理師、介護関係者の平均報酬が如何に低いかということ。そしてそのさらに後ろに見えるのは、家族を維持するために必要な仕事は「本来、誰かが無償で担わなければいけない家族の為に必要不可欠なやりがいのある仕事なのだから、低価格でいいはず。むしろプライスレスなはず」という思想。家事はこれまで主婦が無料でやってきた仕事で、しかたなく外注している仕事だからそれを代行する職業はたとえプロでも低賃金でいいだろう……。まさに「やりがいの搾取」。

いくつかの民間介護事業主のブラックな職場づくりは大騒動になったばかり。

Photo : Getty Images

メディアで時折目にする、「家事に給料が支払われるとしたらあなたはいくらほしいか」というアンケート。そうすると必ずといっていいほど「主婦の仕事に値段はつけられません。家族のために私が望んでしていることですから」というような意見が出てくる。“家庭内の、やりがいある仕事はプライスレス”という意識の高い家族愛の持ち主が、実は育児・介護職の厳しい低賃金化を下支えしているのではないか、と振り返ってみる必要はある。“家事”が社会的に貨幣価値のある立派な仕事だと認めなければ、それを“外注”している保育士の賃金問題や、介護士の過酷な労働環境を見直そうとは考えるのは難しい、というのは言い過ぎ?

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