今年一年で役者としての覚悟が出てきた
―転機となった作品は?
もしかしたら、去年、やった岩松了さんの舞台(『結びの庭』)かもしれません。それが自分のなかに何か一個、あって‥‥それが終わってですね。
―やはり舞台は、映画やドラマとは違った感覚があったんでしょうか。
やってるときの感覚はそんなに変わらないんです。やってることは違うんですけど。そこに大きな差はない気がします。
―今年がデビュー10周年だそうですが、来年からこうしたいという指針などはありますか。
もう少し作品に関わるうえでのウエイトや責任みたいなものが自分にかかってくる作品をやりたいですね。いままで人の影に隠れてやりたい放題やってきた部分があるので、もうちょっと前に出て行かないといけないのかなという風に思っています。主演でも、二番手でも、そういう役をやっていきたいと思っています。
―これまでの作品とは自ずと意識も変わってきそうですね。
演じるうえでは変わらない気がします。でも役者としての覚悟は違ってくると思う。これまではどこかごまかしてきた部分があるので、ちゃんとやらなきゃって気がしています。
―具体的に「こういう作品に出てみたい」「こういう役を演じてみたい」とか、やってみたいことはありますか。
ずっと若いうちにやりたいと思っているのは、スポーツもの。ボクシングの話とかやってみたい。
―少女マンガ原作の映画が最近、多いですけど、そういう胸キュンな作品はどうですか。
ブームですよね。やりたいと思った時期はあったかもしれないけど、最近は全く……。たぶん、そのときは単純に恋したかったのかな(笑)。
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『アズミ・ハルコは行方不明』
OL安曇春子の失踪事件を中心に、三世代の現代に生きる女の子たちの生き様を描いた、山内マリコの同名小説の映画化。安曇春子(蒼井優)は地方都市で実家に暮らすOL。恋人もおらず、家では母親が祖母を介護し、会社ではセクハラを受ける憂鬱な日々を過ごしていた。一方、行方不明になった春子をモチーフにしたグラフィティ・アートをユキオ(太賀)と学(葉山奨之)、そしてユキオのガールフレンドの愛菜(高畑充希)が拡散。街では男性を狙って制裁を加える女子高生ギャング団が話題になっており、アートとの関係性が噂され始めていた。12月3日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。
http://azumiharuko.com/
Photo: Kisimari(W) Styling:Dai Ishii Hair & Makeup:Ishino Interview & Text: Aki Takayama
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太賀/1993年2月7日生まれ。東京都出身。07年に『フリージア』で映画デビュー、翌年『那須少年記』で初主演。『桐島、部活やめるってよ』(12)、『男子高校生の日常』『私の男』(13)、『アゲイン 28年目の甲子園』(14)、『あん』(15)などの話題の映画に相次いで出演。今年は『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』で主演。ドラマ「ゆとりですがなにか」ではゆとりモンスター山岸を演じ、脚光を浴びた。出演映画『淵に立つ』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』が公開中。