素顔はゆとり?それとも……。慕われ度No.1の太賀に会ってきた
2016/11/30(水)
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女の子から束縛されるのは苦手

―『アズミ・ハルコは行方不明』のユキオ、実にヤバい役でした。
 
クズでしたね(苦笑)。
 
―共感できましたか。
 
結果としてはクズの役になってしまったんですけど、台本を読んだ時は「すごく弱い奴だな」という印象が強くて、そういう部分はむしろ共感できました。もちろん、言動などは共感できないんですけど。ユキオって単純な奴なので、わからないなりに、「わかるよ」って部分がたくさん、ありました。理解できないほど、かけ離れてはいないのかなと思いました。
 
―何をしたいのかはわからないけど、何かをしたくてもがいている男の子でした。太賀さんは若い頃に俳優になると決めて、まっすぐ進んできたと思うので、そこに関してはまるで違うのでは?
 
そうですね。でも自分も目指すものがあったから、こうやって仕事をしているんですが、ユキオはまだ見つかってないだけだと思うんです。「違う何かになりたい」とか、そういう憧れを持っているところは変わらない気がしています。僕も仕事という筋が一本、通っているとしても、まだまだ違う自分でいたいし、何かを探し続けていたい。ユキオは一本、通っているような筋がまだ何もないから、目先のものにすぐ飛びついてしまう。個性を求めすぎるあまり、結局、個性がなくなって、結果的に芯のない男になっている。そういう誰しもが陥りやすい溝にどっぷりはまっているのがユキオで、それは自分の間近にもある溝だと思う。だから、ユキオに対してそんなに距離は感じていなかったです。
 
―人を巻き込んでおいて、一番先に逃げたり。結構、ちゃっかりしているんですよね。
 
ユキオは自分が一番、大事なんですよね。
 
―ウザいとはいえ、ガールフレンドの愛菜(高畑充希)に対する態度がちょっと、ひどいと思いました。
 
愛菜にはウザさがありますけど、それよりも「弱い子だな。さびしいのかな」と思いました。彼女に限らず、今回の映画は女性も然り、男性も痛い部分がすごく描かれていると思います。
 
―ああいう依存型、束縛系の女の子はどうですか。
 
耐えられないですね(笑)。あのテンションでこられたら、対応できない気がします……。

  • © 2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会

    『アズミ・ハルコは行方不明』
    OL安曇春子の失踪事件を中心に、三世代の現代に生きる女の子たちの生き様を描いた、山内マリコの同名小説の映画化。安曇春子(蒼井優)は地方都市で実家に暮らすOL。恋人もおらず、家では母親が祖母を介護し、会社ではセクハラを受ける憂鬱な日々を過ごしていた。一方、行方不明になった春子をモチーフにしたグラフィティ・アートをユキオ(太賀)と学(葉山奨之)、そしてユキオのガールフレンドの愛菜(高畑充希)が拡散。街では男性を狙って制裁を加える女子高生ギャング団が話題になっており、アートとの関係性が噂され始めていた。12月3日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。
    http://azumiharuko.com/

Photo: Kisimari(W)  Styling:Dai Ishii  Hair & Makeup:Ishino   Interview & Text: Aki Takayama

  • 太賀/1993年2月7日生まれ。東京都出身。07年に『フリージア』で映画デビュー、翌年『那須少年記』で初主演。『桐島、部活やめるってよ』(12)、『男子高校生の日常』『私の男』(13)、『アゲイン 28年目の甲子園』(14)、『あん』(15)などの話題の映画に相次いで出演。今年は『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』で主演。ドラマ「ゆとりですがなにか」ではゆとりモンスター山岸を演じ、脚光を浴びた。出演映画『淵に立つ』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』が公開中。

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