“危険”な師弟関係が発覚!? 玉木宏×千葉雄大の親密舞台トーク
2017/09/12(火)
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常に客観的な玉木VS周りが見えなくなる千葉

―台本には男女間における恋愛観の違いなど、面白いせりふがたくさん、ありますね。
 
玉木 僕はまだ違う作品に入っているので、そこまで深く読みこめてはいないのですが、ト書きが印象的なことが多かったですね。「女王の駒を失ったような」とか、独特だなと思いながら、読んでいます。台詞に関しては特殊なので、実際に来てくれたお客さんが聞いて一回でわかるかなとか、いろいろ想像していますね。
 
千葉 そうですね。時代ものなので、口語体じゃなくて、文語体なので、それはそれで面白いですけどね。印象に残った台詞は、結構、ヴァルモンのものが多いんですけど、なんか、すごくて、びっくりなんです(笑)。言いたいことをずばり、言うのではなく、本心をちょっとだけ含ませて、煙に巻く感じで、オブラートに包んでいるのが面白さだと思いつつ、やるほうとしてはすごく大変なんだろうなと思っています。
 
―ヴァルモンの台詞は面白いですね。「昼はそのことばかり考え、夜は相手のことばかり夢を見るようになる。それが恋ならそうかもしれない」っていうのがありましたけど……。
 
玉木 それはヴァルモンとしては、あえて、相手を翻弄するような感覚で言っているもので、本心で言っている台詞ではない気がします。恋って、なんでしょうね。どう、千葉君?
 
千葉 えっ、恋ってなんですかね。ちょっと、僕はあまり、経験がないのですが(苦笑)。でも、「周りが見えなくなるもの」ですかね。周りどころか自分すら、見えなくなってしまうような……。
 
玉木 そんなこと、あった?
 
千葉 ありますよ、僕だって。
 
玉木 僕はないなぁ。どこか客観的になってしまう。そういう気持ちになりそうな自分を見ている自分がいるような……。なんかそんな状態になったら、仕事もできなくなってしまうから、その前にブレーキがかかるような感覚なんですよね。この仕事を始める前から、そうなんですけど。
 
―さらに、ヴァルモンによると、「愛されているとわかっていながら、勝利はおあずけという状態。この段階は最高だ」だそうですが?
 
玉木 それは二人の関係値があってこそ、ですよね。関係性も生ものなので、どうあることが最高なのか、僕もそれはよくわからないな。
 
千葉 それって、なんか学生みたいですね。つきあったら、ゴールになっちゃうけど、それまでいちゃいちゃしているのが楽しい、みたいな。僕にもそれはわからないですね。
 
―この作品を見ると男女間の友情は生まれないのかなと思ったりもしたんですが……。
 
玉木 生まれますよ。僕だって、普通の友だちはやっぱりいるし、それがないとしたら、恐ろしい世界ですよ。この作品のなかではある意味、みんなが危険な関係性にあるんですが、それは貴族社会という身分制度があり、そこに抗ってしまうと、自分の身も後々、危険になってしまうという環境があってのことですから、いまの時代にはそんなことないと思いますよ。
 
千葉 僕も男女間の友情、あると思います。ずっと友だちだけど、好きになったことが一回もない女の人はいっぱいいるし、たぶん、あちらからもそう思われていないと思います。結構、そっちのほうが多いですよ。相談役みたいな感覚で、恋愛対象として見られないんです。さんざん話を聞かされて、「ああ、すっきりした。じゃあね」って、帰っていく女の子とかいっぱいいますから(笑)。そこは友情が成立しているんじゃないかな。まあ、どっちかが好きになっちゃったら、ダメですが、それがないうちは友情だと思います。

Photo:Tatsunari Kawazu  Styling:Kentaro Ueno(for Mr.Tamaki),Hirohito Honda(for Mr.Chiba) Hair&Makeup:Yukiya Watanabe(ELLA/for Mr.Tamaki),Naoki Hirayama(for Mr.Chiba)  Interview & Text: Aki Takayama

  • 舞台「危険な関係」
    フランスの作家、ピエール・ショデルロ・デ・ラクロによる書簡体で展開される恋愛心理小説をイギリスの劇作家、クリストファー・ハンプトンが戯曲化。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のリチャード・トワイマンが演出する。舞台は18世紀末、パリの社交界。社交界の花、メルトゥイユ侯爵夫人(鈴木京香)は恨みあるジェルクール伯爵に復讐しようと彼の婚約者、セシル・ヴォランジェ(青山美郷)の純潔を汚すよう、元愛人のヴァルモン子爵(玉木宏)に持ち掛ける。ところが、清純なセシルは若い騎士ダンスニー(千葉雄大)と恋に落ちていた。
     
    東京公演/2017年10月8日~31日
    Bunkamuraシアターコクーン
    お問い合わせ tel.03-3477-3244
    S席¥10,500円、A席¥8,500、コクーン席¥5,500
     
    大阪公演/2017年11月9日~14日
    森ノ宮ピロティホール
    お問い合わせ tel.0570-200-888
    全席=¥11,000
     
    作:クリストファー・ハンプトン
    翻訳:広田敦郎
    演出:リチャード・トワイマン
    美術・衣裳:ジョン・ボウサー
    出演:玉木宏、鈴木京香、野々すみ花、千葉雄大、青山美郷、佐藤永典、土井ケイト、新橋耐子、高橋惠子 他
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_dangerous/

  • PROFILE
     
    玉木宏/1980年生まれ。愛知県出身。1998年、ドラマ『せつない』で俳優デビュー。2007年、ドラマ『氷壁』『功名が辻』『トップキャスター』『のだめカンタービレ』の4作品でエランドール賞、新人賞を受賞。連続テレビ小説『あさが来た』では、主人公の夫役を好演した。主な出演作に、TV『鹿男あをによし』『砂の器』『残念な夫。』『キャリア~掟破りの警察署長~』、映画『ただ、君を愛してる』『真夏のオリオン』『幕末高校生』『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』、舞台は2013年『ホテル マジェスティック~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~』以来、4年ぶり2度目となる。公開待機作に、『悪と仮面のルール』(2018年公開予定)、『ラブ×ドック』(2018年公開予定)がある
     
    千葉雄大/1989年生まれ。宮城県出身。2010年、『天装戦隊ゴセイジャー』で俳優デビュー。2017年、『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞、受賞。主な出演作に、ドラマ『家族ノカタチ』『家売るオンナ』『しあわせの記憶』『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』『ソースさんの恋』など。10月2日から連続テレビ小説『わろてんか』、10月よりフジテレビのドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』 に出演。
    映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』『モヒカン故郷に帰る』『暗黒女子』『ReLIFE リライフ』『帝一の國』『兄に愛されすぎて困ってます』公開待機作に、『亜人』(9月30日公開予定)舞台は2011年『タンブリング』、2012年『ラヴ・レターズ』以来となる。

  • 問い合わせ先/
    ルイ・ヴィトン クライアントサービス tel.0120-00-1854
    http://www.louisvuitton.com/
    イヴ・サンローラン tel.0570–016-655
    http://www.ysl.com/

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