三度目の共演の見どころは舞台での立ち回り
―おふたりは映画『幕末高校生』やドラマ「きょうは会社休みます。」などで共演していますが、舞台では初共演ですね。どんなことを楽しみにしていますか。
玉木宏(以下、玉木) 映像と違って、舞台は長い稽古期間を経て、本番を迎えるので、すごく密な時間を過ごせると思います。すごく仲良くなれるのかもしれないし、二度と会いたくなくなるのかもしれない。そこはわからないですけどね(笑)。
千葉雄大(以下、千葉) えっ、ちょっと、なんですか(笑)。会いたくないって思われないようにがんばりたいなと思います。稽古の間にいろいろと積み重ねて本番に向かうのは、映像とはまた違った取り組み方なのかなと思うので、そこは楽しみです。いままでご一緒させていただいてはいましたけど、またちょっと違った密な時間になると思います。合間においしいご飯に連れて行ってもらえるのかな?
玉木 まあ、やっぱり、二人の芝居場でいったら、クライマックスの立ち回りなどは殺陣稽古として、時間を多めにとっていたりするくらいですから、特別なものになると思いますね。そこが結構、キーにはなってくるのかな。
千葉 玉木さんは経験豊富だと思いますが、僕、まだ立ち回りは全然経験がないので、緊張しますし、そこは頑張りたいです。
―玉木さんの役柄は、映画『危険な関係』ではジョン・マルコヴィッチがやっていましたが、どんなヴァルモンになりそうですか。
玉木 どうなるんでしょう。台本はあるけど、それはあくまでもベースラインでしかないと思うし、もっとブラッシュアップしないと、と思っていますね。いま髪を伸ばしているんですが、それもどうなるかわからない。衣装の件も含めて、未確定なことが多いので、どれくらいなのか、まだちょっと見えていません。そういうものを身にまとったりしたら、だいぶ、雰囲気も変わるでしょうけど。まあ外見より、中身をしっかり組み立てて見せていきたいと思ってますね。
―きっと衣装は着たり、脱いだり、大変ですよね。鍛えられているように見えますが、そのために体づくりしたんですか。
玉木 そのためというより、もうずっと、やっていることなんです。見せるためというより、普通にそのほうが健康でいられて、風邪も引かないので、ストレス発散のつもりでやっています。食べたいものを食べて動く感覚なので、食事制限もしてないんですよ。
千葉 ヴァルモンの役紹介などを見ると、「稀代の色男」って書かれているんです。玉木さん自身、男性の僕から見ても、すごくかっこよくて、色気があると思うんですが、ヴァルモンは一筋縄ではいかないと思うので、それを玉木さんがどうするのか、すごく気になります。決闘のシーンなどは、熱量もベクトルも違う気がするので、そこがお互いに作用すると思います。
―映画では初々しかったキアヌ・リーヴスが演じていたダンスニーですが、千葉さんは、どんなことを準備していますか。
千葉 台詞を覚えるときに、「ここはどういう意味でこんな風に言っているんだろう」と考えても、結構わからないこともあるんです。それをわからないままやったほうが面白いときもあると思いますが、舞台に関しては、やっぱり、軸みたいなものを一個持っていたいなと思うので、いまはそこをちょっと辻褄を合わせる作業のようなものをしていますね。
玉木 千葉君は以前、ご一緒したときに感じたんだけど、すごく柔軟性も瞬発力もある人だと思うので、それが舞台ではどうなるのか、楽しみですね。ただ、イメージどおりになったら、それはそれでつまらないと思う。でも、求められているのはそこかもしれないし、そこはわからないですけど、それでも、すごく魅力的なダンスニーになるんじゃないかな。
Photo:Tatsunari Kawazu Styling:Kentaro Ueno(for Mr.Tamaki),Hirohito Honda(for Mr.Chiba) Hair&Makeup:Yukiya Watanabe(ELLA/for Mr.Tamaki),Naoki Hirayama(for Mr.Chiba) Interview & Text: Aki Takayama
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舞台「危険な関係」
フランスの作家、ピエール・ショデルロ・デ・ラクロによる書簡体で展開される恋愛心理小説をイギリスの劇作家、クリストファー・ハンプトンが戯曲化。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のリチャード・トワイマンが演出する。舞台は18世紀末、パリの社交界。社交界の花、メルトゥイユ侯爵夫人(鈴木京香)は恨みあるジェルクール伯爵に復讐しようと彼の婚約者、セシル・ヴォランジェ(青山美郷)の純潔を汚すよう、元愛人のヴァルモン子爵(玉木宏)に持ち掛ける。ところが、清純なセシルは若い騎士ダンスニー(千葉雄大)と恋に落ちていた。
東京公演/2017年10月8日~31日
Bunkamuraシアターコクーン
お問い合わせ tel.03-3477-3244
S席¥10,500円、A席¥8,500、コクーン席¥5,500
大阪公演/2017年11月9日~14日
森ノ宮ピロティホール
お問い合わせ tel.0570-200-888
全席=¥11,000
作:クリストファー・ハンプトン
翻訳:広田敦郎
演出:リチャード・トワイマン
美術・衣裳:ジョン・ボウサー
出演:玉木宏、鈴木京香、野々すみ花、千葉雄大、青山美郷、佐藤永典、土井ケイト、新橋耐子、高橋惠子 他
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_dangerous/
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PROFILE
玉木宏/1980年生まれ。愛知県出身。1998年、ドラマ『せつない』で俳優デビュー。2007年、ドラマ『氷壁』『功名が辻』『トップキャスター』『のだめカンタービレ』の4作品でエランドール賞、新人賞を受賞。連続テレビ小説『あさが来た』では、主人公の夫役を好演した。主な出演作に、TV『鹿男あをによし』『砂の器』『残念な夫。』『キャリア~掟破りの警察署長~』、映画『ただ、君を愛してる』『真夏のオリオン』『幕末高校生』『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』、舞台は2013年『ホテル マジェスティック~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~』以来、4年ぶり2度目となる。公開待機作に、『悪と仮面のルール』(2018年公開予定)、『ラブ×ドック』(2018年公開予定)がある
千葉雄大/1989年生まれ。宮城県出身。2010年、『天装戦隊ゴセイジャー』で俳優デビュー。2017年、『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞、受賞。主な出演作に、ドラマ『家族ノカタチ』『家売るオンナ』『しあわせの記憶』『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』『ソースさんの恋』など。10月2日から連続テレビ小説『わろてんか』、10月よりフジテレビのドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』 に出演。
映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』『モヒカン故郷に帰る』『暗黒女子』『ReLIFE リライフ』『帝一の國』『兄に愛されすぎて困ってます』公開待機作に、『亜人』(9月30日公開予定)舞台は2011年『タンブリング』、2012年『ラヴ・レターズ』以来となる。 -
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