―日本の撮影はほかの国と比べて過酷ですか。
　
見方によりますね。人によっては同じという方もいるかもしれませんが、個人的には中華圏、英語圏、日本、それぞれ全く違うと思うし、どこにも過酷さはあります。日本だとスケジュール管理能力が素晴らしい故にそれに縛られてしまう部分がある。中華圏はあまりにも行き当たりばったり。よく言えば、フレキシブルなんですが、見通しがきかない。製作発表をした2日後に撮影中止になったこともあります。英語圏に関してはユニオンでクリエイター、パフォーマーの権利が守られているからこその超シビアな競争がある。いいところと悪いところって、陰陽で両方、くっついているものだから、どうとらえるか次第かな。
　
―現場で心がけていることはありますか。
　
どれだけ、現場を楽しくするか、ですね。撮影って朝から晩まで、肉体労働だから、結構、辛い。俳優はまだしも、クルーはもっとです。その過酷な日々を3か月や半年、やるなら、肉体的には辛くても、笑顔があったりする現場の方が自分はいいなと思う。それは意識している、個人的なアジェンダです。俳優としての仕事はもちろん、ベストを出しますが、プラス余裕がある限りは現場の雰囲気を和やかにしたい。撮影が重なるうち、どうしても空気がシビアになって、ぎすぎすしたりすることもあるので、なるべく、そういう風にならないように。みんなで楽しく仲良く、怪我なくやれる。そういう現場を作れたらいいなと思っています。そこは世界共通です。みんな好きで、始めた仕事だろうから、生まれてから死ぬまでの限られた時間に出会うことができたなら、「一緒に仕事できてよかった」と思えるような空気を作りたい。仕事は楽しくやった方がいいですよ。
　
―「あさが来た」の出演者とは仲良くされたのでしょうか？
　
あさちゃん（波瑠）、新次郎さん（玉木宏）らとみんなでご飯を食べにいったりしましたよ。僕はもっぱら街を散策するのが好きなので（笑）、ひとりでパトロールしていることも多かったです。