特集
2016/06/20(月)
セレブ御用達のチョコレートショップで見っけ!

ニューヨーク発、チョコレートの最新トレンド「Farm to Bar」って?

セレブリティが訪れることで有名な、ニューヨークのチョコレートショップ「マリベル」。オーナーでショコラティエでもあるマリベル・リーバマンさんは、2015年ブルックリンにも「カカオマーケット」をオープン。どちらの店でも、トレンドの最先端「Farm to Barチョコレート」が人気の兆しだとか。
今回は、マリベルの中米のカカオ豆の買い付けに同行し、普段はあまり見られないチョコレート工場にも潜入! ニューヨークでの人気商品や、日本で買えるマリベルのチョコ情報をレポート!

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part1 マリベルに教わる

収穫から乾燥まで [ホンジュラス編]

アメリカのマイアミからホンジュラスまでは飛行機でたった2時間半という距離。海辺には開発に侵されていない素朴さがあり、ジェットセッターがお忍びで訪れるリゾート地としても知られている。

ホンジュラスは、かつて「マヤ文明」や「アステカ帝国」が栄えた地。高度な文明と強い信仰心が共存していたマヤ文明で、カカオは儀式に欠かせない特別な存在だった。スパイスを混ぜれば高貴な人々の飲み物にもなり、貨幣としても珍重されていた。

Harvesting [収穫]
「ホンジュラスはなんと国土の80%が山岳地帯なの! だから、ほとんどのカカオは山の中で育てられています。農薬や化学肥料を使用しない、限りなく自然に近い栽培方法が、ホンジュラス産カカオが“フルーティではちみつのような風味がする”といわれる所以なの」とマリベル。パリのサロン・ドゥ・ショコラで行われたICA(インターナショナル・ココア・アワード)で、2013年と2015年にCacao of Excellenceに選ばれるほど。そのせいもあって、世界から熱い視線が注がれている。

Collecting beans [豆を集める]
「カカオの農家は小規模なところが多いので、加工所を持っていません。ですので、収穫した実を組合運営の加工所へトラクターで運び、買い取ってもらいます。カカオの実を割るのは加工所で働く女性の仕事。中から出てくる豆は、ねっとりとした白い果肉(パルプ)で覆われていて、ライチやマンゴスチンのような甘酸っぱい味がするの。ひとつの味にはカカオ豆が約40個入っていますが、これを手で掻き出して、複数のバケツにいっぱいになるまで根気よく集めます」

Fermenting [発酵]
「加工所には発酵をさせる倉庫のような建物があるの。豆はすぐさま、白い果肉をつけたまま発酵所の木箱に移されます。『カカオ豆って発酵させるの?』って、驚く人が多いけれど、発酵させるからこそ、心地よい酸味やうま味が生まれるのよ。ホンジュラスでは昔からバナナの葉で覆って発酵させています。人間が培養した酵母を加えることなどはしません。果肉の糖分と微生物などの作用で自然と発酵させるのが伝統的な方法。内部温度は45~50℃になり、だいだい1週間ほど発酵させますが、実はこのかき混ぜ方や発酵日数を変えることによって、チョコレートの味を変え、オリジナリティを出すことができるの。加工所の人たちとそういう話をするのも、Farm to Barを実践するショコラティエの仕事なのです」

Sun drying [乾燥]
「発酵の段階で白い果肉が分解されると、硬い殻に覆われたカカオ豆が現れます。今度はこれをなるべく重ならないように、スライド式の木枠に広げて天日干しに。1日目は2時間のみ天日にあて倉庫内に戻します。2日目は4時間、3日目は6時間乾燥させるなど、乾燥具合を見ながら時間や日数を調整します。乾燥時間によってもチョコレートの味は変わるので、ショコラティエが加工所ときちんとした関係を持っていれば、この段階でも味の方向性を希望したり、自分で時間を指定したりと、交渉することができます」

>>次ページでは、ロングアイランドにあるマリベルの工場に潜入!

photo : kosuke Matsuo text : Noriko Yokota special thanks : Noriko Iwaki, Aki Tajima

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