特集 2016/1/2(土)
トレンドインサイト 4

「ノマ」の立ち上げの裏にこの人あり、 クラウス・マイヤーって誰?

2015年1月、日本への期間限定オープンでも話題となったコペンハーゲンの「ノマ」。「世界のベストレストラン」のランキングで常連となったその快挙は、食の仕掛け人、クラウス・マイヤー氏抜きには、語ることができない。

左 港の旧倉庫街エリアにある「ノマ」。むき出しの梁と漆喰の壁というラフな内装が旅情を誘う。 右 コース20品中のひと皿。ビーフタルタルの上にカタバミの葉、エストラゴン風味のソースとジュニパー。ワイルドに手で食す。

地味だった北欧料理を
“クールな料理”に変える
 
「伝統的な北欧料理は、リッチなソースをかけた肉がメインで、野菜といえば、じゃがいもか根菜類を少々。冬が長く、新鮮な野菜が手に入らなかったからです」とクラウスは話す。 気候の変化や生産者の努力で、品質が向上した身近な野菜を多用し、新しい調理法を考案、肉と野菜の比重を交換したのが、ニュー・ノルディック・キュイジーヌ。クラウスは、北欧の人々の食に対する考え方を根本から変えようと、テレビや料理本でアピールしてきた。そうするうちに、人々が自然環境や栄養の知識や情報に関心を持ち始め、クラウスの賛同者が増え始めた頃、「ノマ」が世界一のレストランに選ばれ、ブームに拍車がかかった。「レストランの料理の場合、基本的な
テクニックは必須とはいえ、食材がよければ、高度な手法はいりません。シェフはマジシャンではありませんから、『ひとりのカリスマシェフ』より、『マイチームのチームワーク』がクリエイティブな料理を作り出せると思っています」というクラウスの考え方には、北欧に早くから根づいた民主主義の影響がみられる。ニュー・ノルディック・キュイジーヌは手法ではなく、食文化であり、考え方。ノウハウがあるものではないとクラウスは強調する。

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photo: Mia Maria Peterson coordination&text:Chieko Tomita

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