特集 2017/1/11(水)
トレンドインサイト Part.1

肉ブームが生んだ、新スタイルの精肉店

今、新タイプの精肉店が次々と誕生し、話題となっている。環境に配慮したり、インターネットを活用したり、レストランを併設したり……。食と人を結びつけるその新しい試みとは?

生産者をサポートするニューヨークの精肉店
一方、ニューヨークでも新しい精肉店が登場している。そのひとつが、ニューヨーク州の近郊農家から仕入れたグラスフェド・ビーフ(牧草飼育牛肉)を中間業者を通さずに販売している「ザ・ミート・フック」。すでに移転した、キッチン雑貨を扱うショップ内にあるロケーションもユニークな精肉店だ。こちらもパリの「ヴィアンド&シェフ」と同じく、できる限り生産過程が消費者に伝わる透過性を重視している。販売カウンターから作業場がすべて見えるように、壁を作らずに設備を配置。実際にソーセージを作っている風景もとてもよく見える。

「スーパーで販売する肉のパッケージには、生産地の情報がほぼ記載されていないことも。誰がどのように育てたのかわからず、消費者の立場として心配です。生産者とスロッターハウス、運送会社のシンプルな流通経路にこだわるのは、透明性を高めるため」と、共同設立者のベン・トゥルーレイが話してくれた。また、経営サポートに簡略化は、生産者のサポートにもつながる。「大手のスーパーで売られている肉は、通常1ドルの利益あたり11セントほどが生産者に渡り、残りは中間業者に。うちでは32セントが生産者ぶ行くシステムです」と話してくれた。
 
パリとニューヨークに登場した新タイプの精肉店。スタイルは異なるが、共通するのは消費者と生産者をよりよい形でつなぐこと。新スタイルの精肉店は、これからの肉食文化を作る懸け橋なのだ。

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photo : Julie Ansiau , Omi Tanaka text : Kaoruko Yasuda , Azumi Hasegawa

  • Viande & Chef(ヴィアンド&シェフ)
    38 Rue de Lancry, 75010 Paris
    tel. +33(0)9 81 87 01 30
    営業時間/10:00~14:00、16:00~20:00
    定休日/日・月曜
     
    Pièce du boucher(ピエス・デュ・ブシェ)
    6 Rue du Moulinet, 75013 Paris
    tel. +33(0)1 70 81 46 26
    営業時間/9:00~14:00、16:00~20:00
    定休日/日・月曜
     
    The Meat Hook(ザ・ミート・フック)
    397 Graham Ave, Brooklyn, NY 11211
    tel. +1 718 349 5032
    営業時間/10:00~20:00 日曜11:00~19:00 無休
    http://the-meathook.com/

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