トーストを極める、5つのポイントって?
2018/01/19(金)
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知っておきたい、10種の食パンの特徴

食パンの世界へ足を踏み入れた人なら知っている! その世界は思いがけず深くて広いのだ。そこで、個性豊かな食パンのなかから、好みの一枚を見つけるための第一歩として、10種のパンの特徴を解説しよう。 
 
角食
角食は、型のふたを閉めて四角く焼き上げる。ゆえに、目が詰まって、もっちりとした食感、なめらかな舌触りとなるのだ。「コモレビ」の食パンを食べると、素材を見つめ充分な熟成を行うと食パンはこんなふうになるのだと実感できるはず。耳がキャラメルの香りがして、あとから麦の香ばしさがやってくる。まるで赤ちゃんのほっぺたのようななめらかさとやさしい弾力。バターの甘さ、十勝・前田茂雄さんの育てた小麦の甘さが絶妙に引きだされている。
 
「食パン」 ¥410
問い合わせ先/コモレビ tel. 03-6739-1351
 
山食
イギリス発祥の山食は、別名イギリスパン。型のふたをせず、生地が伸び伸びとふくらむにまかせる。だから、食感はふわりと軽く、トーストするとさっくり。技術の限界に挑み続ける「シニフィアン シニフィエ」の巨匠・志賀勝栄シェフ。発酵種でここまでふわっと生地を持ち上げるすごみ。ホップと米麹由来の種は爽やかさを、レーズンの種は甘さを与える。何日たってもぱさつかず、麦のジュースがちゅるりとほとばしるさまに、舌を巻くばかり。
 
「パン・ド・ミ」 ハーフ ¥550
問い合わせ先/シニフィアン シニフィエ tel. 03-3422-0030

ハードトースト
小麦粉、塩、水、酵母。パンを作る最もシンプルな材料だけが使用されるフランスパン生地か、それに近いシンプルな生地を食パンの形に仕上げたもの。余計な味がなく、香ばしくて、トーストすると麦が香る。「レフェクトワール」はサンドイッチのいちばんおいしい出来立てを食べさせる食堂で、食パンはサンドイッチで使っているもの。卵白も入って伸びがよく、具材を引き立てるハードトーストだ。
 
「ハードトースト」 ¥310
問い合わせ先/レフェクトワール tel. 03-3797-3722
 
甘めの生地
毎日長蛇の列ができることで有名な銀座の「セントル・ザ・ベーカリー」の角食パンや、「セブン‑イレブン」の金の食パンをはじめとして、リッチで特別感のある食パンが立て続けに話題となっている。その多くが使用しているのが国産小麦。「365日」の365日×食パンもそのひとつ。北海道産キタノカオリのミルキーな甘さに合わせ、バターをたっぷり使用。発酵の香りのうつくしさ、やさしいクッション、しゅわっとした口溶けは快楽そのもの。
 
「365日×食パン」 ¥280
問い合わせ先/365日 tel. 03-6804-7357

天然酵母
正確には「自家培養発酵種」。複雑で個性的なフレーバーや、発酵力が弱くあまり生地が上に伸びないがゆえの素朴なもっちり感、濃厚な味わいが特徴の食パンだ。庭木の果物や自家農園に育つハーブなどから種を起こし、季節と寄り添ってパンを作る「タロー屋」。春先にはいちご酵母の食パンが風物詩。酸味が走り、あとを追っていちごの甘さがやってきて、シーソーが揺れ動くような変化を繰り広げつつやさしく調和する。
 
「すりつぶしイチゴ酵母の食パン」 1/2斤 ¥445
問い合わせ先/タロー屋 tel. 048-886-0910
 
国産小麦
国産小麦は品種改良が進み、おいしい食パンができるようになってきた。とくに北海道産はしっかりふくらみ、もちもち感ややさしい甘さも日本人の味覚に合う。「タルイベーカリー」が北海道産はるゆたか(50%配合)のおいしさを表現した名作食パン。口を近づけたときに香る、ぶどうから起こした発酵種の香りが濃厚に、そして爽快に香る。もっちりした分厚い風合いが心地よく、とろけると国産小麦ならではの甘さが、きび砂糖とも相まってやさしく広がる。
 
「はるゆたか角食パン」 ¥333
問い合わせ先/タルイベーカリー tel. 03-6276-7610

全粒粉
食物繊維やミネラルなど、現代人の食生活に不足しがちなものを補える全粒粉を見直したい。濃厚な麦の味や素朴な風合いは、ナチュラルな食事を盛り上げてくれる。小麦マスター「カタネベーカリー」が全粒粉を扱うと、生成りのリネンのざらっとした食感から、生地がミシン目みたいにほどけ、ふにゃふにゃとろける食感に。穀物的な香り、木質的な香りが濃厚に放たれていく。しっとりして、えぐみはなく、甘さはひたすらやさしい。
 
「全粒粉食パン」 ¥270(税込)
問い合わせ先/カタネベーカリー tel. 03-3466-9834
 
贅沢素材
特別な素材をコラボ的に使ってキャラ立てした食パンをよく目にするようになった。産地限定のはちみつ、豆腐屋の豆乳、発酵バター、ごま油……。「パーネ エ オリオ」は、イタリアで修業したという珍しいパン屋さん。イタリアのパンと日本人の味覚をハイブリッドさせている。この食パンもそのひとつ。イタリアのオリーブオイル、イタリアから輸入した粉を使用。発酵のすっとする香り、さわさわした舌触りに、若々しいオリーブが香る心地よさを味わって。
 
「こだわりイタリア食パン」 ¥417
問い合わせ先/パーネ エ オリオ tel. 03-6902-0190

ブリオッシュ生地
ブリオッシュやデニッシュといった、お菓子に使うような甘い生地。大きく焼いているので、皮よりふわふわな中身の部分が多く食べられるし、切っても切っても出てくるお得感が魅力。このブリオッシュ・ナンテールは、風でさえ揺れるのではないかと思えるほど、やわらかい。ワンスライスを指でつまめばふるふると震え、舌の上でじゅっと溶けて甘い汁を湧き立たせる。バター、卵といい材料を贅沢に使い、純度の高い甘さが素晴らしい。
 
「ブリオッシュ・ナンテール」 ¥600
問い合わせ先/ブーランジェリー ボネダンヌ tel. 03-6805-5848
 
丸食
粉と水と塩というシンプルな生地を丸め、型に入れずに焼いて食パンに見立てるのが、これから来そうな最新式。形もテクスチャーも、「グルグルベーカリー」の直食は驚異的。エアリーさ、国産小麦特有のもちもち感があり、小麦が水をしっかり吸ってみずみずしく、ぷるぷる。そう感じたかと思うと、高速の口溶け。たちまち麦のジュースに変わって、ごはんに似たフレーバーを滲ませるさまは、薄い皮の香ばしさと相まって、まるで焼き餅。
 
「直食」 ¥296
問い合わせ先/グルグルベーカリー tel. 03-6410-5962

photo : Teruaki Kawakami styling : Yuki Nakabayashi text : Hiroaki Ikeda , Masako Watanabe , Yukiko Murayama

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