ティラミス
1990年
このイタリアンデザートにも、ここで紹介している多くの食べ物と同様に、多くのストーリーがある。1985年に、『New York Times(ニューヨーク タイムズ)』がティラミスのレシピを掲載。材料は、「やわらかくてバターのような、イタリアのダブルクリームチーズであるマスカルポーネ、卵、コーヒー、砂糖、砕いたチョコレート、イタリアのビスコッティ“サヴォイアルディ”」と書かれていた。1987年に株式市場が急落すると、アメリカ人は食べ物に安らぎを見出し、「私を元気づけて」を意味するティラミスも人気となったそう。どの店でもティラミスが食べられるようになった結果、パティシエのゾーイ・フランソワ氏いわく、90年代半ばまでには「パティシエたちは需要を満たそうと毎日作り続けることに飽き飽きし、ティラミスをメニューからはずした」そうだ。
original text : Helin Jung transtlation : Anri Tsushima photo : Getty Images